問32
薬剤Aが薬剤Bと比較して高頻度に肝機能障害を起こすかどうか、データベースを用いて評価した。統計的仮説検定およびその解釈として正しいのはどれか。
- 1p値は肝機能障害発症確率のことである。
- 2有意水準は統計的仮説検定を実施した後で決める。
- 3対立仮説は「薬剤Aと薬剤Bの肝機能障害発症頻度に差はない」である。
- 4有意水準より大きなp値が得られた場合、薬剤Aと薬剤Bの肝機能障害発症頻度が同程度であると示されたことにはならない。✓ 正解
- 5有意水準より小さなp値が得られた場合、分析に用いた人数によらず薬剤Aは薬剤Bと比較して高頻度に肝機能障害を引き起こすと判断する。
正解
4
解説
統計的仮説検定の概念と解釈を問う問題である。検定では、有意水準を検定の前にあらかじめ設定し、得られたp値が有意水準より小さければ帰無仮説を棄却する。p値が有意水準より大きい場合は帰無仮説を棄却できないだけであり、「差がない(同程度である)」ことが証明されたことにはならない(帰無仮説を採択するわけではない)。したがって、有意水準より大きなp値が得られても両薬剤の発症頻度が同程度であると示されたことにはならない、とする選択肢が正しい。正答は「有意水準より大きなp値が得られた場合、薬剤Aと薬剤Bの肝機能障害発症頻度が同程度であると示されたことにはならない」である。
選択肢の解説
1p値は帰無仮説が正しいと仮定したときに観察された以上に極端な結果が得られる確率であり、肝機能障害の発症確率そのものではない。
2有意水準は検定を実施する前にあらかじめ設定するものであり、検定を実施した後で決めるという記述は誤りである。
3「差はない」は対立仮説ではなく帰無仮説である。対立仮説は「発症頻度に差がある」であり、記述は誤りである。
4正しい。p値が有意水準より大きい場合は帰無仮説を棄却できないだけであり、差がない(同程度である)ことが示されたことにはならない。
5p値が有意水準より小さく統計的に有意でも、サンプルサイズが大きいとわずかな差でも有意になりうるため、人数によらず高頻度に引き起こすと判断するのは誤りである。
用語
- 統計的仮説検定
- 帰無仮説と対立仮説を立てた上で、標本データから計算した統計量に基づいて、帰無仮説の妥当性を判定する方法です。有意水準をあらかじめ決め、得られたp値が有意水準より小さければ帰無仮説を棄却します。