第112回 保健師国家試験(午前)保健医療福祉行政論

9

Aさん(76歳、女性、無職)は要介護1となり、1人暮らしが難しくなったため、同じ県内のB市に居住する息子家族と同居することになった。息子は勤め先のC健康保険組合の被用者であり、Aさんから保健師に「B市へ転居したら医療保険はどのようになりますか」と相談があった。Aさんに説明する内容で正しいのはどれか。

  1. 1「共済保険に加入します」
  2. 2「後期高齢者医療制度の対象のままです」✓ 正解
  3. 3「C健康保険組合の被扶養者となります」
  4. 4「B市の国民健康保険に加入となります」

正解

2

解説

医療保険制度に関する問題である。後期高齢者医療制度は原則75歳以上(一定の障害がある場合は65歳以上)を対象とし、運営主体は都道府県単位の後期高齢者医療広域連合である。Aさんは76歳のため後期高齢者医療制度の被保険者であり、後期高齢者は被用者保険の被扶養者にはならず、同一都道府県内での転居であれば同じ広域連合の管轄が継続するため、転居後も後期高齢者医療制度の対象のままとなる。したがって選択肢2が正答である。共済保険や国民健康保険への加入、息子の健康保険組合の被扶養者となるという説明はいずれも誤りである。


選択肢の解説

1共済保険は公務員等を対象とする被用者保険であり、76歳のAさんが加入する制度ではないため誤りである。
2Aさんは76歳で後期高齢者医療制度の被保険者であり、同一都道府県内の転居であれば同じ広域連合の管轄が続くため、転居後も後期高齢者医療制度の対象のままで正しい。
375歳以上の者は後期高齢者医療制度の被保険者となり、被用者保険の被扶養者にはならないため、C健康保険組合の被扶養者となるという説明は誤りである。
4Aさんは後期高齢者医療制度の対象であり、市町村国民健康保険の被保険者とはならないため誤りである。

用語

要介護1
介護保険制度における介護度の分類の一つで、要介護認定により決定される。日常生活において部分的な介護が必要な状態を示し、身体機能の低下により日々の生活に支援が必要になった高齢者が該当する。
被用者
企業や組織に雇用されて給与を受ける労働者のこと。医療保険では被用者保険(健康保険組合や協会けんぽなど)に加入する対象となる者を指す。
この問題から続けて演習する