第112回 保健師国家試験(午後)状況設定疫学

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状況設定 問44-46

A市では傷病分類別の標準化死亡比〈SMR〉による市の健康課題の把握と、課題への対策を検討するために実態調査を計画した。

標準化死亡比〈SMR〉分析から脳血管疾患が重要課題であることが分かり、年齢、性別、栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、服薬、病歴について郵送法による無記名式の市民アンケート調査を行うことにした。この調査について正しいのはどれか。

  1. 1病歴は要配慮個人情報ではない。
  2. 2相談や苦情の問合せ先は記載しない。
  3. 3参加を拒否できる機会を設定しなくてはならない。✓ 正解
  4. 4調査対象者以外の地域住民には研究内容の説明を行わない。

正解

3

解説

市民を対象とした無記名式の郵送アンケート調査における倫理的配慮を問う問題である。氏名を記載しない無記名調査であっても、対象者には調査への参加・不参加を自ら選べるようにする必要があり、回答しない(参加を拒否する)機会を保障しなければならない。したがって正答は3である。


選択肢の解説

1病歴(既往歴)は、本人に対する不当な差別や偏見が生じないよう特に配慮を要する「要配慮個人情報」に該当するため誤りである。
2対象者が安心して参加できるよう、相談や苦情の問合せ先を明記することは必要であり、記載しないとする本肢は誤りである。
3無記名調査であっても、対象者が参加を拒否できる機会(回答しない自由)を保障することは必要であり、正答である。
4調査の目的や内容については、対象者だけでなく地域住民にも理解が得られるよう情報公開・説明に努めることが望ましく、調査対象者以外には説明しないとする本肢は誤りである。

用語

標準化死亡比〈SMR〉
特定の疾患による死亡数が、全国平均と比較して期待される死亡数の何倍であるかを示す指標です。地域の健康課題の大きさを客観的に把握し、公衆衛生施策の優先課題を決定するために用いられます。
脳血管疾患
脳の血管病変に起因する疾患の総称です。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などが含まれ、死亡率と罹患率の双方が高い重要な生活習慣病です。本設問では予防的観点から、その危険因子の把握が必要とされます。
無記名式
調査回答者の氏名などの個人識別情報を記載しない調査方法です。プライバシーが保護され、回答者が安心して正直に答えやすくなり、個人情報漏洩のリスクが低減されます。
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