問7
Aさん(23歳、男性、留学生)は1人で暮らしている。奨学金の給付を受けており、他に収入はない。来日後、咳が続くため日本語学校の先生に付き添われて医療機関を受診した。診察の結果、感染性の肺結核と診断され、入院勧告が行われた。Aさんは「入院中の医療費は高いですか」と保健師に尋ねた。Aさんは国民健康保険に加入している。保健師がAさんに説明する感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づく公費負担制度の内容で正しいのはどれか。
- 1「入院医療費の自己負担はありません」✓ 正解
- 2「入院医療費総額の5%をAさんが負担します」
- 3「入院医療費総額の10%をAさんが負担します」
- 4「入院医療費総額の30%をAさんが負担します」
正解
1
解説
感染症法に基づく結核入院患者への公費負担を問う問題である。感染性の肺結核で入院勧告・入院措置を受けた患者の入院医療費は、感染症法第37条により、医療保険適用後の自己負担分が公費で負担される。世帯の住民税所得割額の合算が一定額(年564,000円)を超える高所得世帯では月額2万円を限度に費用徴収があり得るが、Aさんは奨学金以外に収入のない低所得者でこれに該当しないため、自己負担は生じない。したがって、自己負担はないと説明する1が正しい。
選択肢の解説
1入院勧告に基づく結核入院では感染症法第37条により医療費が公費負担され、低所得のAさんは費用徴収の対象にもならないため自己負担はない。正しい。
2総額の5%を負担するという説明は誤りで、入院勧告による結核入院では原則自己負担は生じない。誤り。
3総額の10%を負担するという説明は誤りである。入院勧告に基づく入院医療費は公費負担の対象である。誤り。
4国民健康保険の通常の自己負担割合(3割)が適用されるとする説明は誤りで、入院勧告による結核入院は感染症法の公費負担により自己負担が生じない。誤り。
用語
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉
- 感染症の発生と蔓延を防ぐために制定された日本の法律。第37条により、感染症指定医療機関で入院勧告を受けた患者(結核など)の医療保険適用後の自己負担分は、公費で賄われます。低所得者の場合、自己負担はありません。
- 入院勧告
- 感染症法に基づき、保健所長が感染症患者に対して入院することを勧告する措置。結核など指定感染症の患者に対して、感染拡大防止と公費負担制度の対象判定のために行われます。
- 公費負担制度
- 国や自治体が医療費の一部または全部を負担する制度。感染症法第37条に基づき、結核等の指定感染症で入院した患者の医療保険自己負担分が対象となり、一定所得以下の患者は自己負担なしで治療を受けられます。