ITパスポート 2015年 (平成27年 秋期) 問2「不正競争防止法で保護される,自社にとっての営業秘密に該当するものはどれか。ここで…」の正解と解説です。ITパスポート試験の「ストラテジ系」分野の過去問で、これまでの受験者の正答率は約65%です。
正解
ア. 新製品開発に関連した,化学実験の未発表の失敗データ
正答率 65.0%(1,785人中 1,160人が正解)
問題の解説
不正競争防止法上の営業秘密(trade secret)の要件を問う問題. 同法では(1)秘密として管理されている(秘密管理性),(2)事業活動に有用な技術上または営業上の情報である(有用性),(3)公然と知られていない(非公知性)の3要件をすべて満たす情報のみを営業秘密として保護する. 三要件のどれか1つでも欠ければ営業秘密にはあたらず,法的保護を受けられない. 本問は秘密管理性は共通で,残る2要件のうち「有用性」と「非公知性」をどう満たすかが論点. 既に公開された情報や,公知の事実を集めただけのもの,有用でない情報はいずれも除外される.
選択肢ごとの解説
- 正解. 自社で開発した独自技術の情報は,公然と知られていない(非公知性)かつ事業活動に有用(有用性)で,問題文どおりファイル管理によって秘密管理性も満たすため,3要件すべてを充足し営業秘密に該当する. 不正競争防止法の保護対象として典型的な例である.
- 誤り. 自社が刊行している月刊誌の記事は既に一般公表されているため非公知性を欠く. 秘密管理されていても,公開済みの情報を含む段階で営業秘密の定義から外れる. 有用性があっても非公知性を満たさなければ保護対象にならない点に注意し,刊行物=公知の代表例として覚える.
- 誤り. 自社製品の故障率は事業上有用だが,有価証券報告書に記載され公開された段階で非公知性を喪失する. 公表書類に載った情報は誰でも閲覧可能なため,その後ファイル管理しても営業秘密としては復活しない. 一度公開した時点で保護対象から外れる扱いとなる.
- 誤り. 新聞や雑誌から収集したコピーは元来公知の情報の集積であり,非公知性を満たさない. 仮にファイルにまとめて社内で秘密扱いとしても,個々の情報が既に公開されている以上,営業秘密の定義からは外れる. 編集物として著作権の論点になる場合はある.
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