問2
Aさん(42歳)は夫と長男(中学生)の3人暮らし。抑うつ状態が続くため、精神科病院へ入院することになった。家族ストレス対処理論に基づいた保健師の情報収集の内容として適切なのはどれか。
- 1家族が有する資源を踏まえた家族の対応✓ 正解
- 2入院前後における親子の相互関係の変化
- 3家族の社会生活と家庭生活の両立への対応
- 4抑うつ状態が続くことによる家族全体の変化
正解
1
解説
家族ストレス対処理論(Hillの二重ABCXモデルなど)に基づく情報収集を問う問題である。この理論では、ストレス源となる出来事(a)に対し、家族が有する資源(b)と家族の認知(c)が相互に作用して危機(x)への適応が決まると考える。したがって、ストレス状況での家族の対処を理解するには、家族が活用できる資源を踏まえた家族の対応に着目する1が最も適切である。
選択肢の解説
1家族が有する資源(人的・社会的・経済的資源など)を踏まえた家族の対応は、二重ABCXモデルにおける資源(b因子)と対処を捉えるものであり、家族ストレス対処理論に直結する情報である。正しい。
2入院前後の親子の相互関係の変化は家族の関係性の把握には役立つが、ストレス対処理論が重視する家族資源や対処の枠組みを直接捉える内容ではない。最も適切とはいえない。
3社会生活と家庭生活の両立への対応は役割葛藤に関する視点であり、ストレス対処理論における資源と対処の中心的把握とはいえない。最も適切とはいえない。
4抑うつ状態の継続による家族全体の変化はストレス源の影響の把握にとどまり、家族の対処資源を踏まえた対応を捉えるものではない。最も適切とはいえない。
用語
- 抑うつ状態
- 気分が落ち込み、興味や喜びが減少し、思考力や判断力が低下した状態。身体症状(睡眠障害、疲労感)を伴うこともあり、日常生活や社会生活に支障をきたす精神医学的な状態である。
- 家族ストレス対処理論
- 家族がストレス源の出来事に直面した際、家族の有する資源と認知パターンがどのように作用するかを説明する理論。Hillの二重ABCXモデルなどが代表的で、ストレス状況下での家族の適応過程を理解するための枠組みとして活用されている。