問5
A市の糖尿病予防教室では、参加者が記録する食事記録表をもとに保健師が健康教育を実施していた。今回、健康教育の内容を変更し、持続自己血糖測定器を貸し出して測定した血糖値をもとに健康教育を実施した。持続自己血糖測定器の導入で健康教育の費用が10%増加したが、HbA1cの値が改善した者の割合は増えた。健康教育の評価を行うために、HbA1cの値が改善した人数を食事記録の実施群と持続自己血糖測定の実施群で比較する。健康教育の評価で適切なのはどれか。
- 1費用効果分析✓ 正解
- 2費用効用分析
- 3費用便益分析
- 4費用最小化分析
正解
1
解説
経済評価の手法を問う問題である。本事例では、費用(健康教育費)と、健康上の効果をHbA1cが改善した人数という臨床的・物量的な効果指標で比較している。費用効果分析は、費用を金額で、効果を改善人数や検査値などの自然単位(金銭以外)で評価する手法であり、本事例に合致する。したがって正答は1の費用効果分析である。費用便益分析は効果も金額換算する点、費用効用分析はQALYなど効用値で評価する点、費用最小化分析は効果が同等の前提で費用のみを比較する点で本事例とは異なる。
選択肢の解説
1費用効果分析は、費用を金額で測り効果をHbA1c改善人数などの自然単位で評価する手法であり、本事例の比較に合致する。正しい。
2費用効用分析は効果を質調整生存年(QALY)などの効用値で評価する手法であり、本事例は効用値を用いていないため該当しない。誤り。
3費用便益分析は効果(便益)も金額に換算して費用と比較する手法であり、改善人数で評価する本事例とは異なる。誤り。
4費用最小化分析は効果が同等であることを前提に費用のみを比較する手法であり、効果(改善割合)に差がある本事例には適さない。誤り。
用語
- 持続自己血糖測定器
- 自動的に皮下組織の間質液から血糖値を連続測定し、リアルタイムで血糖値を表示するデバイス。腕やお腹に装着可能で、日常生活での血糖変動を詳細に把握でき、個人の食事療法や運動療法の効果判定に有用です。
- HbA1c
- 赤血球のヘモグロビンとブドウ糖が結合した物質。過去1~2か月の平均血糖値を反映し、糖尿病管理の重要な指標として用いられます。本問では、健康教育の効果判定の指標として採用されています。