第112回 保健師国家試験(午後)公衆衛生看護学

9

Aさん(10歳、男子、小学4年生)は九九を覚えることができず、時間や図形の学習が苦手である。専門医を受診したところ、算数の学習障害と診断された。他の科目の学習には著しい困難はなく、友人とのトラブルはない。Aさんに適した特別支援教育はどれか。

  1. 1訪問教育を受ける。
  2. 2保健室登校を行う。
  3. 3通級による指導を受ける。✓ 正解
  4. 4特別支援学級に入級する。

正解

3

解説

限局性学習症(学習障害)の児に適した特別支援教育の形態を問う問題である。Aさんは算数の学習障害のみで、他教科の学習や対人関係には著しい困難がない。このような場合、通常の学級に在籍しながら、特定の困難に応じて一部の時間だけ別室で個別指導を受ける「通級による指導」が適している。学習障害は通級指導の対象に含まれる。したがって正答は3である。


選択肢の解説

1訪問教育は、障害が重く通学が困難な児童生徒に教員が家庭や病院等を訪問して行う教育であり、通学可能なAさんには適さない。誤り。
2保健室登校は不登校傾向のある児童への対応であり、特別支援教育の制度的形態でも本事例の状況でもない。誤り。
3通級による指導は、通常学級に在籍しつつ障害に応じて一部の時間に特別な指導を受けるもので、特定教科のみに困難がある学習障害のAさんに適する。正しい。
4特別支援学級はより手厚い継続的な支援を要する児童が在籍する学級であり、一教科のみに困難があり対人関係も良好なAさんには過剰であり適さない。誤り。

用語

算数の学習障害
読字・計算・書字など特定の学習領域に限定された発達上の困難。知的能力全般の低下ではなく、特定の教科の学習のみに支障が生じる状態であり、通級指導の対象となる。
特別支援教育
障害のある児童生徒に対して、その障害の状態や程度に応じた教育を行う制度。通常学級での学習が困難な児童に対し、訪問教育・特別支援学級・通級指導など複数の形態がある。
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