問40
状況設定 問39-41
Aさん(36歳、未妊婦)は4か月前から月経中の下腹部痛が強くなっていることを自覚し、近くの産婦人科を受診した。月経は規則的で量は正常。既往歴:特記すべきことはない。生活歴:半年前に結婚し、結婚後も仕事を継続している。家族歴:Aさんの母親は乳癌の手術歴があり、母方の祖母が乳癌で死亡している。身体所見:身長157 cm、体重52 kg。検査所見:内診にて骨盤内に強い癒着や圧痛はみられない。経腟超音波検査で左卵巣内に3 cm大の子宮内膜症性囊胞が確認された。
初診から2か月後、Aさんは卵巣子宮内膜症性囊胞の変化を確認するため、再度受診し、受診前の問診で乳癌に関して助産師に相談した。Aさんは「家族に乳癌が多いので自分も乳癌にならないか心配だ」と助産師に話した。Aさんの乳癌発症のリスクを評価するのに、助産師がAさんに確認すべき情報はどれか。
- 1母親と祖母の子宮内膜症の既往の有無
- 2母親と祖母の乳癌の発症年齢✓ 正解
- 3母親と祖母の食生活
- 4母親と祖母の月経歴
- 5母親と祖母の体重
正解
2
解説
母方に乳癌が多く自身の乳癌発症を心配するAさんに対し、乳癌発症リスク評価のため助産師が確認すべき情報を問う設問である。乳癌の家族歴を評価する際は、血縁者の罹患の有無に加え、発症が若年(早期)であるかが遺伝性乳癌卵巣癌症候群などのリスク評価に重要である。したがって母親と祖母の乳癌の発症年齢を確認するのが適切であり、正答は選択肢2である。
選択肢の解説
1誤り。子宮内膜症の既往は乳癌発症リスクを直接評価する家族歴情報としては適切でない。
2正しい。乳癌の発症年齢(若年発症かどうか)は遺伝性乳癌などの家族性リスクを評価するうえで重要な情報であり、確認すべき内容である。
3誤り。食生活は一般的な生活要因ではあるが、家族歴に基づく乳癌発症リスク評価のためにまず確認すべき情報ではない。
4誤り。母親と祖母の月経歴はAさん自身の乳癌リスク評価に直結する家族歴情報とはいえず、優先して確認すべき情報ではない。
5誤り。母親と祖母の体重は乳癌の家族性リスクを評価するために優先して確認すべき情報ではない。
用語
- 卵巣子宮内膜症性囊胞
- 卵巣に生じた子宮内膜症性の囊胞で、月経随伴症状を伴うことが多い。本設問ではAさんの既往疾患として提示され、乳癌発症リスク評価時に家族歴の重要性を引き出すためのケース背景として用いられています。