第109回 助産師国家試験(午前)状況設定地域母子保健

41

状況設定 問39-41

Aさん(36歳、未妊婦)は4か月前から月経中の下腹部痛が強くなっていることを自覚し、近くの産婦人科を受診した。月経は規則的で量は正常。既往歴:特記すべきことはない。生活歴:半年前に結婚し、結婚後も仕事を継続している。家族歴:Aさんの母親は乳癌の手術歴があり、母方の祖母が乳癌で死亡している。身体所見:身長157 cm、体重52 kg。検査所見:内診にて骨盤内に強い癒着や圧痛はみられない。経腟超音波検査で左卵巣内に3 cm大の子宮内膜症性囊胞が確認された。

Aさんは「乳がん検診や検査の方法について知りたい」と言う。Aさんへの説明で適切なのはどれか。

  1. 1「CT検査で検診を行います」
  2. 2「超音波検査で悪性の確定診断ができます」
  3. 3「Aさんの年齢では超音波検査の有効性は低くなります」
  4. 4「医療機関での定期検診と乳房自己検診の両方をすることが大切です」✓ 正解

正解

4

解説

乳がん検診の方法と、家族歴のある人への二次予防・自己管理の考え方を問う問題である。Aさんは母親が乳癌手術歴、母方祖母が乳癌死亡という家族歴があり乳癌リスクが高いため、医療機関での定期的なマンモグラフィや超音波などの検診と、月経終了後を目安とした乳房自己検診(self-examination)の両方を継続することが早期発見につながる。日本の対策型乳がん検診は40歳以上を対象としマンモグラフィが基本だが、若年や高濃度乳腺では超音波が補助的に有用であり、いずれの画像検査も悪性の確定診断には組織診(生検)が必要である。したがって両方を勧める4が適切である。


選択肢の解説

1乳がん検診はマンモグラフィ(X線)と超音波検査が中心であり、CT検査は被曝も多く乳がん検診の標準的方法ではないため不適切である。
2超音波検査は腫瘤の存在や性状の評価には有用だが、悪性の確定診断はできず、確定には針生検などの組織診(病理診断)が必要であるため誤りである。
3Aさんは36歳と若く乳腺が密な傾向にあり、高濃度乳腺ではマンモグラフィの感度が下がる一方で超音波の有効性はむしろ高くなるため、有効性が低いとする説明は誤りである。
4家族歴のあるAさんでは、医療機関での定期検診と日常の乳房自己検診を併用することが早期発見に重要であり、適切な説明である。
この問題から続けて演習する