第109回 助産師国家試験(午後)2つ選べ地域母子保健

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Aさん(27歳、初産婦)は自宅近くの無床の診療所で妊婦健康診査を受診しており、分娩は隣県の実家近くの総合病院でする予定である。妊娠30週になったAさんは、分娩予約のために自家用車で総合病院を受診した。妊婦健康診査で妊娠経過が順調であることが確認できた。Aさんは外来の助産師に「最近地震が多くて不安です。大地震に備えてできることを教えてほしいです」と相談した。このときのAさんへの助産師の指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 1「赤ちゃんの栄養は粉ミルクにしましょう」
  2. 2「赤ちゃんのベッドは窓際に置きましょう」
  3. 3「非常用の水や食料を車にも積んでおきましょう」✓ 正解
  4. 4「地震が起きたら速やかに避難所へ移動しましょう」
  5. 5「自宅近くの分娩取扱施設も確認しておきましょう」✓ 正解

正解

3・5

解説

里帰り分娩を予定する妊娠30週・経過順調の初産婦から、大地震に備えてできることを尋ねられた外来助産師の指導として適切なものを2つ選ぶ問題である。正答は「『非常用の水や食料を車にも積んでおきましょう』」と「『自宅近くの分娩取扱施設も確認しておきましょう』」である。災害に備え非常用品を複数の場所に分散して備蓄すること、また里帰り先まで移動できない事態に備え自宅近くの分娩取扱施設をあらかじめ確認しておくことは、妊婦の防災対策として適切である。


選択肢の解説

1誤り。災害時はかえって母乳栄養が衛生面・物資調達の面で利点があり、清潔な水やミルクの確保が難しい状況も想定される。栄養法を一律に粉ミルクに決めるよう指導するのは適切でない。
2誤り。地震では窓ガラスの破損・落下による受傷の危険があるため、赤ちゃんのベッドを窓際に置くのは適切でない。家具の転倒や落下物のない安全な場所に置く。
3正しい。非常用の水や食料を自宅だけでなく車にも備えておくなど分散して備蓄しておくことは、外出時や移動中の被災に備える防災対策として適切である。
4誤り。地震発生時はまず身の安全を確保することが優先で、状況を確認せず速やかに避難所へ移動することが常に適切とは限らない。妊婦では特に安全確保と無理のない行動が重要である。
5正しい。災害により里帰り先の総合病院まで移動できない事態に備え、自宅近くの分娩取扱施設を確認しておくことは適切な指導である。

用語

初産婦
妊娠・分娩を初めて経験する女性を指します。初産婦は経産婦と比べて陣痛の進行が遅い傾向にあり、分娩所要時間の予測や異常時の対応判断に影響します。
無床の診療所
入院患者を収容できない医療施設で、外来診療のみを行う施設です。継続的な妊婦健康診査は外来で行いますが、分娩など入院が必要な場合は他の施設への転送体制が整備されている必要があります。
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