第109回 助産師国家試験(午後)状況設定助産診断・技術学

38

状況設定 問38-40

Aさん(26歳、初妊婦)はこれまで妊娠歴はなく、既往歴、家族歴に特記すべきことはない。非妊時の体重42 kg、身長165 cmである。妊娠8週に少量の性器出血がみられた。その後、性器出血はない。妊娠20週1日に妊婦健康診査のために産科外来を受診した。妊婦健康診査の結果は次のとおりである。体重44 kg。血圧118/68 mmHg。尿蛋白(−)、尿糖(−)。児頭大横径〈BPD〉は46.0 mm。

今後のAさんの妊娠経過中、リスクが高いのはどれか。

  1. 1前置胎盤
  2. 2羊水過多
  3. 3妊娠糖尿病
  4. 4胎児発育不全〈FGR〉✓ 正解

正解

4

解説

26歳初妊婦、非妊時体重42 kg・身長165 cm(BMIは約15.4でやせ)、妊娠20週1日で体重44 kg(妊娠後の体重増加は約2 kg)の事例で、今後の妊娠経過中にリスクが高いものを問う問題である。正答は胎児発育不全〈FGR〉である。非妊時にやせ(低BMI)で妊娠中の体重増加も乏しい妊婦は母体の栄養状態が不良となりやすく、胎児の発育に影響して胎児発育不全のリスクが高い。なお児頭大横径〈BPD〉46.0 mmは妊娠20週相当であり、この時点では発育に大きな問題はみられない。


選択肢の解説

1誤り。前置胎盤は胎盤が子宮下部に付着し内子宮口を覆う状態で、帝王切開・子宮手術既往や多産・高齢、喫煙などが危険因子であり、やせ・低体重増加と直接関連するリスクではない。
2誤り。羊水過多は胎児消化管閉鎖や母体糖尿病などに関連し、やせ・低体重増加でリスクが高まるものではない。むしろ発育不全例では羊水過少が問題となりやすい。
3誤り。妊娠糖尿病は肥満・過体重や糖尿病家族歴などが危険因子であり、非妊時やせ・体重増加不良のこの妊婦で特にリスクが高いとはいえない。
4正しい。非妊時にやせ(低BMI)で妊娠中の体重増加も乏しいため母体の栄養状態が不良となりやすく、胎児発育不全〈FGR〉のリスクが高い。
この問題から続けて演習する