問49
状況設定
Aさん(86歳、女性)は、生まれ育った地域で、近所に住む友人と交流しながら1人で暮らしていた。買い物へ行く途中に転倒し、腰椎圧迫骨折で入院治療を受けた。退院後は他県に住む長女夫婦と同居している。暮らし始めて間もなく、Aさんは「私はここで暮らして、新しい友人ができるかしら」と長女に訴えるようになり、徐々に口数が少なくなった。
このときのAさんの状況はどれか。
- 1閉じこもり
- 2廃用症候群
- 3セルフ・ネグレクト
- 4リロケーションダメージ✓ 正解
正解
4
解説
高齢者が住み慣れた環境から移ったことによる心理的不適応を問う事例問題である。Aさんは長年暮らした地域から退院後に他県の長女宅へ転居し、間もなく口数が減り新しい環境への不安を訴えている。これは生活の場が変わることで生じる心身の不調であるリロケーションダメージ(リロケーションストレス症候群)にあたる。
選択肢の解説
1誤り。閉じこもりは外出頻度が著しく低下した状態を指す概念であり、転居に伴う心理的不適応を表す本事例には当てはまらない。
2誤り。廃用症候群は安静・不活動が続くことで生じる身体・精神機能の低下を指し、口数減少や転居不安を主とする本事例の状況とは異なる。
3誤り。セルフ・ネグレクトは自分自身の健康・安全・生活を放任する状態であり、本事例の状況とは合致しない。
4正しい。住み慣れた環境から新たな生活の場へ移ったことで生じる心身の不適応(不安・抑うつ・口数減少など)であり、リロケーションダメージにあたる。