第112回 保健師国家試験(午前)公衆衛生看護学

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保健師が乳児健康診査の面接で母子健康手帳を確認したところ、予防接種の接種歴がなかった。両親に確認すると、母親は「予防接種を受けさせたくない」と言い、父親は「他の家庭のように接種させたいのに困る」と言う。両親は互いの意見が合わずに悩んでいることがわかった。倫理的課題に対する両親の意思決定を支援するために、保健師が最初に行うことはどれか。

  1. 1母親に予防接種のパンフレットを渡す。
  2. 2母親に予防接種を受けさせたくない理由を聞く。✓ 正解
  3. 3父親にどのように困っているかを聞く。
  4. 4夫婦でよく話し合うように勧める。
  5. 5夫婦に予防接種の必要性を伝える。

正解

2

解説

予防接種をめぐり両親の意見が対立し意思決定に悩む事例で、保健師が最初に行う支援を問う問題である。倫理的課題に対する意思決定支援では、まず当事者の考えや価値観を傾聴し、対立の背景にある思いを理解することが出発点となる。母親が予防接種を受けさせたくない理由を聞くことで、不安や情報不足、価値観などの背景を把握でき、適切な情報提供や合意形成につなげられる。最初に行うのは母親に理由を聞くことである。正答は「母親に予防接種を受けさせたくない理由を聞く」である。


選択肢の解説

1母親の理由や懸念を聞く前にパンフレットを渡すのは一方的な情報提供であり、母親の思いを理解する段階を欠いているため最初の対応として適切でない。
2正しい。意思決定支援の第一歩として、母親が予防接種を受けさせたくない理由を傾聴し、その背景にある不安や価値観を理解することが最も適切である。
3父親の困りごとを聞くことも支援の一環ではあるが、接種を望まない母親の理由を把握することが意見対立の核心であり、最初に行う対応としては優先度が低い。
4夫婦で話し合うよう勧めるのは、互いの意見が合わず悩んでいる両親に対して問題を当事者に委ねるだけであり、支援を求めている段階の最初の対応としては不適切である。
5必要性を伝える前に当事者の思いを理解することが先であり、いきなり必要性を伝えるのは母親の懸念を軽視することになり最初の対応として不適切である。

用語

乳児健康診査
3~4か月、1歳6か月、3歳の時期に全国の市町村で実施される、乳幼児の健康状態を総合的に評価する公式な健康診査。保健師は診査時に保護者の不安や価値観を傾聴し、必要に応じて支援する重要な機会となります。
倫理的課題
医療・看護の現場で、患者や利用者の価値観、利益、権利が相互に対立し、単純な「正解」がない状況。保健師は対立する立場の背景にある思いや価値観を理解し、当事者の合意形成を支援することが求められます。
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