第112回 保健師国家試験(午前)状況設定公衆衛生看護学

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状況設定 問48-50

A市で震度6強の地震が発生した。発災後9日目、立ち上げた10か所の避難所では、他自治体から派遣された保健師チームが、避難所の環境整備や避難者の健康観察を行っている。

発災後7か月が経過し、ボランティアも含め外部支援者は減ってきた。A市では、12名の保健師の内2名が被災によって退職した。働いている保健師の中には「笑っても良いのだと思ったのは被災後6か月だった」と語る人もいる。一方で、住民からは育児相談や中断している育児支援教室に関する問い合わせが増えてきた。A市の統括保健師は、休止していた母子保健事業の全面再開と共に、次の災害へ備えた保健師の活動体制作りを考えている。A市の統括保健師によるスタッフへの対応で適切なのはどれか。

  1. 1保健所保健師に事業の再開を依頼する。
  2. 2保健師チームによる応援の増強を要請する。
  3. 3住民への全戸訪問を最優先するように伝える。
  4. 4職場で保健師自らの気持ちを話す機会を作る。✓ 正解

正解

4

解説

発災後7か月、保健師自身も被災者であり退職者も出ている状況で、母子保健事業の再開と次の災害への体制づくりを考える統括保健師のスタッフ対応として適切なものを問う問題である。支援者である保健師も被災によるストレスを抱えており、燃え尽きや二次的ストレスを予防する支援者支援が重要である。職場で保健師自らの気持ちを語り合う機会をつくることは、スタッフのストレス軽減とチームの相互支援を促し、長期的に活動を継続できる体制づくりにつながる適切な対応である。


選択肢の解説

1保健所保健師への事業再開依頼は応援要請の一つだが、被災して疲弊した自市スタッフへの対応としては、まず支援者自身の心のケアを図ることが適切である。
2外部支援者が減少する時期に応援増強の要請も選択肢ではあるが、スタッフへの対応として問われており、支援者である保健師自身のストレスケアを図ることが適切である。
3全戸訪問の最優先は疲弊したスタッフの負担をさらに増し、燃え尽きを招きかねず、スタッフへの対応として適切でない。
4正しい。被災者でもある保健師の燃え尽きや二次的ストレスを予防するため、職場で自らの気持ちを話す機会をつくることは、相互支援を促し長期的な活動継続を支える適切な対応である。

用語

統括保健師
保健所や市町村保健センターなどの組織内で、複数の保健師をまとめて管理・監督する指導的立場にある保健師。災害時には組織全体の対応体制構築やスタッフの支援・育成、長期的な母子保健事業の再開計画を担当する。
母子保健事業
妊産婦や乳幼児及びその保護者を対象に、健康診査、育児相談、親教育などを行う地域保健事業。予防的支援を通じて妊娠・出産・育児期における親子の健康と発達を守る公衆衛生的な事業である。
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