問10
Aさん(30歳、初産婦)は妊娠40週3日に、帝王切開で体重2,520 gの女児を出産した。児は口唇口蓋裂があり、新生児科医がAさん夫婦に病状の説明を行った。Aさんは「私が妊娠に気付かず飲酒したことが原因でしょうか。子どもの顔を見るのがつらい」と流涙し、授乳や児の面会に行くことを拒否している。夫は毎日仕事帰りに母児の面会に来ているが、疲労している様子である。Aさん夫婦への助産師の対応として適切なのはどれか。
- 1Aさんの自責の念を受け止める。✓ 正解
- 2Aさんのもとに児を連れて行く。
- 3夫にもっとAさんの支えになってほしいと伝える。
- 4Aさんの妊娠期の生活について細かく情報収集する。
正解
1
解説
口唇口蓋裂児を出産し強い自責の念と児の受容困難を示す母親への助産師の対応を問う問題である。正答は1のAさんの自責の念を受け止める。Aさんは「自分の飲酒が原因か」と自責し流涙し、授乳や面会を拒否している危機的・心理的に不安定な状態にある。まずは母親の感情・自責の念を否定せず受け止め、寄り添う支持的な関わりが優先される。なお口唇口蓋裂の原因は多因子であり、母親の飲酒だけが原因と断定できるものではないが、この場面ではまず感情の受容が最優先である。
選択肢の解説
1正しい。強い自責と児の受容困難を示す母親に対し、まずその感情・自責の念を否定せずに受け止める支持的対応が最優先であり、信頼関係と児の受容を促す基盤となる。
2母親が児との面会を拒否し心理的に不安定な段階で無理に児を連れて行くことは、母親の負担を増し受容をかえって妨げるおそれがあり、この時点では適切でない。
3夫はすでに毎日面会し疲労している。さらに支えを求めることは夫の負担を増やすことになり、家族全体への支援という観点から適切でない。
4妊娠期の生活を細かく情報収集することは、原因探しと受け取られ母親の自責の念を強める可能性があり、感情の受容を優先すべきこの場面では適切でない。
用語
- 口唇口蓋裂
- 上唇と上顎を構成する組織が完全に癒合しない先天奇形。原因は遺伝的素因と環境要因の相互作用による多因子疾患であり、母親の飲酒や薬物使用など単一の要因で決定されるものではありません。