第109回 助産師国家試験(午前)助産診断・技術学

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Aさん(29歳、初産婦)は妊娠38週3日、硬膜外麻酔下で分娩誘発を行っている。硬膜外麻酔開始前のAさんの血圧は120/60 mmHgであった。硬膜外麻酔開始1時間後、陣痛周期8分で内診を行ったところ、子宮口3 cm開大であった。Aさんから「気分が悪い」と訴えがあり、血圧を確認したところ、72/40 mmHgであった。医師に優先して伝えるのはどれか。

  1. 1「分娩第1期です」
  2. 2「血圧が低下しています」✓ 正解
  3. 3「家族に連絡しましょうか」
  4. 4「硬膜外麻酔開始から1時間経過しました」

正解

2

解説

硬膜外麻酔下分娩での急変時に医師へ優先して伝える情報を問う設問である。硬膜外麻酔は交感神経遮断により末梢血管が拡張し、血圧低下を起こしうる。本事例では麻酔開始前120/60 mmHgであった血圧が72/40 mmHgへ急激に低下し、気分不快を訴えており、これは硬膜外麻酔による低血圧であり母児に影響するため緊急対応が必要な所見である。したがって医師へ優先して伝えるべきは血圧低下であり、正答は選択肢2である。


選択肢の解説

1誤り。子宮口3 cm開大で分娩第1期であることは正常な経過情報であり、緊急性の高い血圧低下より優先して伝える内容ではない。
2正しい。120/60 mmHgから72/40 mmHgへの急激な血圧低下と気分不快は硬膜外麻酔による低血圧を示し、母児への影響が懸念される緊急所見であるため最優先で伝える。
3誤り。家族への連絡は緊急対応とは無関係であり、まず急変している血圧低下を医師へ伝える必要がある。
4誤り。麻酔開始から1時間経過したという時間情報のみでは緊急性が伝わらず、優先して伝えるべきは血圧低下である。

用語

硬膜外麻酔
脊髄を覆う硬膜の外側に麻酔薬を注入し、神経根をブロックする麻酔法です。産科では分娩痛の軽減に用いられますが、交感神経遮断により末梢血管が拡張して血圧低下を起こしやすいため、分娩中は血圧管理と母児監視が重要です。
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