第109回 助産師国家試験(午前)助産診断・技術学

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Aさん(37歳、初産婦)は妊娠30週2日に妊婦健康診査で来院した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。1日に数回の子宮収縮の自覚がある。血圧128/78 mmHg。血液検査データは、Hb11.8 g/dL、Ht34%。75 gOGTTで空腹時血糖90 mg/dL、1時間値177 mg/dL、2時間値165 mg/dL。尿蛋白(−)、尿糖+であった。子宮底長25 cm。子宮口は閉鎖、子宮頸管長32 mm。児は骨盤位で推定胎児体重1,450 gである。このときのアセスメントで適切なのはどれか。

  1. 1正常経過
  2. 2切迫早産
  3. 3妊娠性貧血
  4. 4妊娠糖尿病✓ 正解
  5. 5胎児発育不全〈FGR〉

正解

4

解説

妊娠30週の妊婦健診データのアセスメントを問う設問である。75 gOGTTの妊娠糖尿病(GDM)診断基準は、空腹時血糖92 mg/dL以上、1時間値180 mg/dL以上、2時間値153 mg/dL以上のいずれか1点以上を満たした場合である。本事例は空腹時90、1時間値177、2時間値165 mg/dLで、2時間値165 mg/dLが基準(153以上)を満たすため妊娠糖尿病と判断される。よって正答は選択肢4である。Hb11.8 g/dL(妊娠性貧血はHb11.0未満)、子宮頸管長32 mmで頸管短縮なし、推定体重1,450 gは30週として概ね基準内であり、他の選択肢は否定される。


選択肢の解説

1誤り。75 gOGTTで2時間値165 mg/dLが妊娠糖尿病の基準(153 mg/dL以上)を満たすため、正常経過とはいえない。
2誤り。子宮口は閉鎖し子宮頸管長32 mmで短縮がなく、規則的な子宮収縮も認めないため、切迫早産とはいえない。
3誤り。妊娠性貧血はHb11.0 g/dL未満で診断されるが、本事例はHb11.8 g/dLであり該当しない。
4正しい。75 gOGTTの2時間値165 mg/dLが診断基準(153 mg/dL以上)を満たし、妊娠糖尿病と判断される。
5誤り。推定胎児体重1,450 gは妊娠30週として基準範囲内であり、胎児発育不全(FGR)とはいえない。

出典・参考

用語

骨盤位
児の殿部または足が下方に位置する胎位を指します。頭位に比べ分娩時に児の損傷や出生外傷のリスクが高いため、妊婦検診での胎位確認が重要な評価項目となります。
子宮頸管長
超音波検査で測定される子宮頸部の長さで、切迫早産の診断に用いられます。妊娠30週では32mm程度は正常範囲内とされており、短縮(例:20mm以下)は早産のリスク増加を示唆します。
75 gOGTT
75g経口ブドウ糖負荷試験のことで、妊娠糖尿病の診断に用いられます。日本では空腹時血糖92mg/dL以上、1時間値180mg/dL以上、2時間値153mg/dL以上のいずれかを満たした場合に妊娠糖尿病と診断されます。
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