第109回 助産師国家試験(午前)状況設定助産診断・技術学

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状況設定 問42-44

Aさん(38歳、初産婦)は妊娠34週1日、妊婦健康診査でかかりつけの産婦人科を受診した。「最近、足のむくみが気になります」と訴えている。身長160 cm、体重65 kgで2週前から6 kg増加している。血圧138/94 mmHg、尿蛋白(−)、浮腫+。超音波検査で推定胎児体重1,660 g(−1.9 SD)、30分間の観察で呼吸様運動を1回、体幹の動きを3回、四肢の伸展屈曲運動を1回みとめ、羊水ポケット3 cm、子宮頸管長30 mmであった。子宮収縮の自覚はあり、時折、痛みを感じることがある。胎児心拍数陣痛図(別冊No. 2)を別に示す。

Aさんは妊娠34週1日から入院管理されていたが、妊娠36週4日、前期破水の診断となった。体温36.7℃、内診所見は、子宮口1 cm開大、展退度30%、Station−2、児頭が触れる。超音波検査で推定胎児体重2,080 g(−1.8 SD)、羊水ポケット1 cm。胎動の自覚は良好で、不規則な子宮収縮の自覚がある。Aさんへの治療で正しいのはどれか。

  1. 1床上安静
  2. 2抗菌薬の投与✓ 正解
  3. 3人工羊水注入
  4. 4ステロイドの投与
  5. 5子宮収縮抑制薬の投与

正解

2

解説

妊娠36週4日(早産期)の前期破水(pPROM)に対する管理を問う問題である。前期破水では上行性感染による絨毛膜羊膜炎や新生児感染のリスクが高まるため、潜伏期感染予防および母児の感染管理を目的に抗菌薬の投与が標準的に行われる。よって2が正しい。妊娠36週は児がほぼ成熟期に近く、また羊水ポケット1 cmと羊水過少も認めるため、長期の妊娠延長を目的とした子宮収縮抑制薬やステロイド(肺成熟促進は主に34週未満が対象)の積極的適応は乏しい。


選択肢の解説

1床上安静のみでは破水後の感染リスク管理にならず、治療として最も優先される対応ではないため適切でない。
2前期破水では上行性感染・絨毛膜羊膜炎・新生児感染の予防のため抗菌薬投与が標準であり、正しい。
3人工羊水注入(経腟的羊水注入)は前期破水管理として一般的に行われる治療ではなく、適応は限られるため誤りである。
4ステロイド(出生前副腎皮質ステロイド)による胎児肺成熟促進は主に妊娠34週未満が対象であり、36週4日では一般的適応ではないため誤りである。
5妊娠36週で児はほぼ成熟に近く、感染リスクのある前期破水で長期に妊娠を延長する子宮収縮抑制薬の積極的適応は乏しいため適切でない。

用語

前期破水
妊娠22週以降37週未満に、陣痛発来前に胎膜が破裂して羊水が流出した状態です。上行性感染による絨毛膜羊膜炎や新生児感染のリスクが高いため、母児の感染管理を目的に抗菌薬が投与されます。
羊水ポケット
超音波検査で測定される、最も深い羊水腔の縦径です。通常は8~18cm程度であり、1cm以下は羊水過少と判断されます。妊娠延長の適応判断や、胎児の状態評価に用いられます。
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