第109回 助産師国家試験(午前)状況設定助産診断・技術学

50

状況設定 問48-50

Aさん(35歳、初産婦)は妊娠22週0日で性器出血を主訴に産婦人科診療所を受診したところ、胎胞が膨隆しており、総合周産期母子医療センターである大学病院に母体搬送された。搬送後、腟内に4 cm程度の胎胞が認められ、子宮収縮抑制薬を投与し妊娠継続をはかっていたが、4日後に陣痛発来し、Bちゃん(540 g、女児)を経腟分娩で出産した。新生児科医が立ち会いを行い、BちゃんはApgar〈アプガー〉スコア1分後1点、5分後2点。生後7分で気管内挿管を行いNICUに入院となった。

BちゃんはNICU入院後、閉鎖式保育器に収容され、1週が経過した。Bちゃんに行うケアで適切なのはどれか。

  1. 1NICUは昼夜同じ明るさとする。
  2. 2ケアは短時間で数回に分けて行う。
  3. 3処置に伴う痛みの軽減には囲い込みを行う。✓ 正解
  4. 4児の安静時にはモニターの心拍同期音が聞こえるように設定する。

正解

3

解説

NICUにおける早産児へのディベロップメンタルケア(developmental care)を問う問題である。早産児では痛みや過剰な刺激からのストレスを最小限にする配慮が重要で、処置時の痛み軽減には四肢を体幹に近づけて包み込む囲い込み(ホールディング/ポジショニング)が有効であり、3が適切である。NICUでは胎内環境に近づけるため昼夜の明暗のリズムをつけ、不要な光・音を減らすことが望ましく、ケアは児の負担を考えてまとめて行い覚醒・休息のリズムを保つ(短時間で何度も中断すると安静が妨げられる)、安静時にモニターのアラーム音や心拍同期音などの不要な音は静かな環境のため最小限にするのが望ましい。


選択肢の解説

1ディベロップメンタルケアでは胎内に近い環境とするため昼夜で明暗のリズムをつけることが望ましく、昼夜同じ明るさにするのは適切でない。
2処置やケアは児への負担を減らすためまとめて計画的に行い覚醒・休息のリズムを保つのが望ましく、短時間で何度も分けて行うと安静が頻回に妨げられるため適切でない。
3処置に伴う痛みの軽減には、四肢を屈曲位に保ち体幹に近づけて包み込む囲い込み(ポジショニング)が有効であり適切である。
4児の安静時には静かな環境が望ましく、心拍同期音などの不要な音は最小限にするのが適切で、常時聞こえるよう設定するのは適切でない。

用語

NICU
新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit)の英語の頭字語で、生まれたばかりの新生児特に早産児や重症新生児を集中的に管理・治療する専門的な部門を指します。適切な環境管理とディベロップメンタルケアが重要とされています。
閉鎖式保育器
新生児の身体をすべて囲む透明なアクリル製の保育器で、温度・湿度・酸素濃度などを厳密に管理できる装置です。感染防止にも優れており、環境管理が必要な早産児や低出生体重児に用いられます。
この問題から続けて演習する