第109回 助産師国家試験(午後)助産診断・技術学

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Aさん(30歳、初産婦)は陣痛開始から10時間が経過した。分娩第1期の内診所見は、前方後頭位、先進部の下降度はStation+2で、矢状縫合は斜径であった。このときの児頭の骨盤内下降の状態で正しいのはどれか。

  1. 1児頭は排臨の状態である。
  2. 2児頭の先進部は坐骨棘線上である。
  3. 3児頭の最大周囲径は骨盤濶部にある。✓ 正解
  4. 4内診指で恥骨結合を触れることができない。

正解

3

解説

分娩第1期の内診所見から児頭の骨盤内下降の状態を判断する問題である。先進部の下降度がStation+2(坐骨棘間線を0とし、2cm下方)であり、児頭の最大周囲径(最大径の位置)は先進部より上方にあるため、この時点では最大周囲径は骨盤濶部(骨盤腔のうち最も広い部分)に位置すると考えられる。したがって正答は3である。矢状縫合が斜径であることも、骨盤腔内で回旋途上にある所見と矛盾しない。


選択肢の解説

1誤り。排臨は陣痛発作時に児頭が陰裂から見え、間欠時に後退する状態で、分娩第2期の所見である。Station+2の分娩第1期の段階ではない。
2誤り。先進部が坐骨棘間線上(Station 0)にあるのは児頭固定の所見である。本症例はStation+2であり、先進部はすでに坐骨棘間線より下方にある。
3正しい。先進部がStation+2であることから、児頭の最大周囲径はそれより上方の骨盤濶部に位置する。
4誤り。Station+2で児頭が下降していても、内診指で恥骨結合(恥骨後面)を触れることは可能である。触れることができないとはいえない。

用語

前方後頭位
胎児の後頭部が母体骨盤の前方に位置する姿勢。最も分娩が進行しやすい正常位で、この位置から骨盤内で回旋して正後頭位に至る。分娩進行の判定に重要な指標である。
矢状縫合
胎児頭部の前後径を走行する骨縫合。内診時に触知することで胎児頭部の位置や回旋状況を判定するための重要な解剖学的標識。
先進部
分娩時に産道を進む胎児の最下点となる部位。Station値で骨盤腔内の下降度を測定する際の基準となり、臨床的に分娩進行状況を評価するための重要な診査項目である。
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