問32
分娩時の努責について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1破水前に努責がかかることは少ない。
- 2児頭の最大周囲が娩出する時は努責を継続する。
- 3子宮口全開大前に努責がかかる場合は深呼吸を促す。✓ 正解
- 4分娩時の努責は子宮の平滑筋の収縮によって起きる。
- 5胎児娩出直前に腹圧の抑制がきかない状態を共圧陣痛と呼ぶ。✓ 正解
正解
3・5
解説
分娩時の努責(いきみ)について正しいものを2つ選ぶ問題である。正答は「子宮口全開大前に努責がかかる場合は深呼吸を促す」と「胎児娩出直前に腹圧の抑制がきかない状態を共圧陣痛と呼ぶ」である。子宮口全開大前の努責は子宮頸管の浮腫・裂傷を招くため、努責を逃すよう深呼吸(短促呼吸)を促す。共圧陣痛とは、児頭の下降刺激により反射的に腹圧(努責)が加わり、子宮収縮(陣痛)と腹圧が協働して胎児を娩出に向かわせる状態をいう。
選択肢の解説
1誤り。努責は子宮口が全開大し児頭が下降して反射的に起こるものであり、破水の有無で努責のかかりやすさが決まるわけではない。「破水前に努責がかかることは少ない」という記述は適切でない。
2誤り。児頭の最大周囲が娩出する(排臨・発露でゆっくり通過させる)際は、会陰裂傷や急速な娩出を避けるため努責を緩める・止めて短促呼吸とし、ゆっくり娩出させる。努責を継続するのは適切でない。
3正しい。子宮口全開大前に努責がかかると頸管浮腫や頸管裂傷を生じるため、努責を逃すよう深呼吸(短促呼吸)を促すのが適切である。
4誤り。分娩時の努責(いきみ)は横隔膜や腹壁などの随意筋(骨格筋)の収縮による腹圧であり、子宮の平滑筋の収縮(陣痛)とは別である。
5正しい。胎児娩出直前に児頭下降の刺激で反射的に腹圧の抑制がきかなくなり、陣痛(子宮収縮)と腹圧(努責)が協働する状態を共圧陣痛と呼ぶ。
用語
- 努責
- 分娩時に陣痛に伴い反射的または随意的に加わる腹圧のこと。胎児の下降と娩出を促進する。子宮口全開大前の努責は子宮頸管の浮腫や裂傷を招くため、深呼吸などで努責を逃すことが重要である。