第109回 助産師国家試験(午後)状況設定助産診断・技術学

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状況設定 問41-43

Aさん(32歳、初産婦、会社員)は妊娠32週0日である。夫(33歳、会社員)と2人暮らし。本日は妊婦健康診査のため来院した。身長160 cm、非妊時体重57.0 kg。これまでの妊娠経過は問題ない。「最近、腰痛が気になります」と話す。腹部は柔らかく、子宮収縮の自覚はない。助産師はLeopold〈レオポルド〉触診法で胎児が第1頭位であることを確認後、安藤による子宮底長の測定法で子宮底長を測定することにした。Aさんは15分前に尿検査を済ませている。

診察の結果、体重65.0 kg、血圧134/70 mmHgで、5分後に118/60 mmHg、下肢浮腫(±)、尿蛋白(±)、尿糖(−)、胎動+。子宮底長28.0 cm、腹囲89.0 cm、胎児心拍数156 bpm、推定胎児体重は1,800 g、AFIは21 cmであった。Aさんの状態のアセスメントで正しいのはどれか。

  1. 1羊水過多である。
  2. 2妊娠高血圧腎症である。
  3. 3胎児の発育は正常である。✓ 正解
  4. 4外診上の子宮の大きさは週数に対して小さい。

正解

3

解説

妊娠32週の各種計測値から状態をアセスメントする問題である。推定胎児体重1,800gは妊娠32週の平均値(約1,800g前後)にほぼ一致し、胎児心拍数156bpmも正常範囲(110〜160bpm)で、胎児の発育は正常と判断できるため選択肢3が正答である。AFI21cmは正常範囲(おおむね5〜24cm)で羊水過多ではない。血圧は受診時134/70mmHgだが5分後に118/60mmHgと正常化しており、尿蛋白(±)のみで持続する高血圧や明らかな蛋白尿はなく妊娠高血圧腎症の診断基準を満たさない。子宮底長28.0cmは妊娠32週相当としておおむね適切で、週数に対して小さいとはいえない。


選択肢の解説

1AFI21cmは正常範囲内であり、羊水過多(一般にAFI24〜25cm以上)には該当しないため誤りである。
2血圧は5分後に118/60mmHgへ正常化し持続する高血圧はなく、尿蛋白も(±)にとどまる。妊娠高血圧腎症の診断基準(高血圧+蛋白尿等)を満たさず誤りである。
3推定胎児体重1,800gは妊娠32週の平均値にほぼ一致し、胎児心拍数156bpmも正常範囲であり、胎児の発育は正常と判断でき正しい。
4子宮底長28.0cmは妊娠32週相当としておおむね妥当で、週数に対して小さいとはいえないため誤りである。

用語

下肢浮腫(±)
下肢(足首から膝まで)に出現した液体の滞留による腫れ。臨床検査では記号で程度を表記し、(±)は微かな浮腫、(+)は軽度などを示す。妊娠中は妊娠高血圧腎症などの合併症の指標となる。
AFI
羊水インデックス(Amniotic Fluid Index)の略。経腹超音波検査で子宮内を4分画に分けて最深羊水ポケット径を計測し、その合計値で羊水量を評価する指標。おおむね5~24cm が正常範囲とされている。
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