問49
状況設定 問47-49
Aさん(30歳、初妊婦)は妊娠12週である。仕事は物流センターで商品の仕分けラインを管理している。本日、妊婦健康診査で産婦人科クリニックを受診した。妊娠経過は順調だが、退職を検討している。Aさんは「職場では冷凍食品が担当で、マイナス15℃の倉庫で作業するときもあります。職場は男性が多く、これまで妊娠した社員はいません。妊娠したことをそろそろ上司に話すので、退職のこともまとめて伝えた方がよいかなと思っています。出産後も仕事を続けたい気持ちはありますが」と話す。
Aさんは妊娠32週の妊婦健康診査で助産師外来を受診した。助産師が診察室へ入室するAさんを観察すると、腹部を突き出し猫背の姿勢で歩行していた。妊娠経過は順調であったが「立ち仕事が続くと腰が痛くなります。仕事に行く以外はあまり動きたくない感じです」と話す。Aさんの姿勢について適切な保健指導はどれか。2つ選べ。
- 1「胸を張りましょう」✓ 正解
- 2「骨盤を下に傾けましょう」
- 3「あごは首に引きつけましょう」✓ 正解
- 4「おへそを前に突き出しましょう」
- 5「お尻や太ももの力を抜いてみましょう」
正解
1・3
解説
腹部を突き出し猫背の姿勢で歩行している妊娠32週の妊婦への姿勢に関する保健指導を2つ選ぶ問題である。妊婦は増大した腹部により重心が前方へ移動し腰椎前彎が強まりやすいため、胸を張って背筋を伸ばし(選択肢1)、あごを引いて首・頭部を正しい位置に保つ(選択肢3)よう指導し、猫背と過度の腰椎前彎を是正することが適切で、これらが正答である。骨盤を下に傾ける(前傾させる)と腰椎前彎が増強し腰痛を助長する。へそを前に突き出すのは現状の不良姿勢そのもので逆効果である。殿部や大腿の力を抜くと骨盤を支えられず姿勢が崩れるため不適切である。
選択肢の解説
1胸を張って背筋を伸ばすことは猫背を是正し良い姿勢を保つために適切な指導であり正しい。
2骨盤を下(前)に傾けると腰椎前彎が増強し腰痛を助長するため不適切である。むしろ骨盤を後傾させて前彎を緩める姿勢が望ましい。
3あごを引いて首・頭部を正しい位置に保つことは猫背を是正し頸部の負担を減らすため適切で正しい。
4おへそを前に突き出すのは腹部を突き出した現在の不良姿勢そのものであり、腰椎前彎を強めるため不適切である。
5殿部や大腿の力を抜くと骨盤を支持できず姿勢が崩れる。むしろこれらの筋を使って骨盤を安定させる必要があり不適切である。
用語
- 猫背
- 胸が落ち込み、背中が丸まった不良姿勢。妊娠中は増大した腹部の重みで重心が前方へ移動し、これに対抗するため猫背になりやすい。猫背は腰椎前彎を増強させ、腰痛の原因となるため、保健指導では胸を張り背筋を伸ばすことで改善を促す。