問50
状況設定 問50-52
Aちゃん(男児)は全身性エリテマトーデスを合併した母から在胎36週2日に頭位正常分娩で出生した。出生体重は2,510 gであった。生後1分の時点でAちゃんの筋緊張は軽度減弱し、皮膚刺激によってわずかに四肢を動かす様子が認められた。呼吸は浅く不規則で、全身にチアノーゼを認め、心拍数は70/分であった。
このときの新生児蘇生法アルゴリズムに沿った対応で適切なのはどれか。
- 1胸骨圧迫と人工呼吸は30:2で行う。
- 2出生直後の評価ではまず心拍数を確認する。
- 3出生直後の呼吸停止と徐脈があれば直ちに胸骨圧迫を開始する。
- 4生後3分の経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉目標値は70%である。✓ 正解
正解
4
解説
在胎36週2日、生後1分で筋緊張軽度減弱・浅く不規則な呼吸・全身チアノーゼ・心拍数70/分という児に対する、新生児蘇生法(NCPR)アルゴリズムに沿った対応を問う問題である。新生児蘇生では生後の経皮的酸素飽和度(SpO2)は徐々に上昇するのが正常で、生後3分時のSpO2目標値はおおむね70%とされており、選択肢4が正答である。新生児の胸骨圧迫と人工呼吸の比は3:1で、30:2は成人・小児の比である。出生直後の評価はまず呼吸(と筋緊張・早産児かどうか)を確認する。呼吸停止や徐脈(心拍数100/分未満)があればまず有効な人工呼吸を開始し、人工呼吸後も心拍数60/分未満が続く場合に胸骨圧迫を加えるのであり、直ちに胸骨圧迫を開始するのではない。
選択肢の解説
1新生児蘇生における胸骨圧迫と人工呼吸の比は3:1であり、30:2は成人・小児の比であるため誤りである。
2新生児蘇生法アルゴリズムでは出生直後にまず呼吸(および筋緊張・早産児かどうか等)を確認するのであり、まず心拍数を確認するというのは誤りである。
3呼吸停止や徐脈ではまず有効な人工呼吸を行い、人工呼吸後も心拍数60/分未満が続く場合に胸骨圧迫を加える。直ちに胸骨圧迫を開始するのは誤りである。
4生後のSpO2は徐々に上昇し、生後3分時の目標値はおおむね70%とされておりアルゴリズムに沿った正しい記述である。
用語
- 新生児蘇生法アルゴリズム
- 出生時に心肺機能が低下した新生児に対する蘇生処置を段階的に進めるための標準的手順。気道確保・呼吸補助・胸部圧迫・薬物投与の各段階があり、新生児では呼吸補助が最優先される。