第109回 助産師国家試験(午後)状況設定助産診断・技術学

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状況設定 問50-52

Aちゃん(男児)は全身性エリテマトーデスを合併した母から在胎36週2日に頭位正常分娩で出生した。出生体重は2,510 gであった。生後1分の時点でAちゃんの筋緊張は軽度減弱し、皮膚刺激によってわずかに四肢を動かす様子が認められた。呼吸は浅く不規則で、全身にチアノーゼを認め、心拍数は70/分であった。

日齢3。臍帯血を用いた血液検査で抗SS‑A抗体は陽性であった。体温は37.3℃、心拍数は130/分であった。日齢2に便色は黒緑色から黄褐色に変化した。現時点で留意すべき疾患はどれか。

  1. 1胆道閉鎖症
  2. 2新生児感染症
  3. 3頻脈性不整脈
  4. 4先天性房室ブロック✓ 正解

正解

4

解説

全身性エリテマトーデス(SLE)合併の母から出生し、臍帯血で抗SS-A抗体陽性、日齢3で心拍数130/分の児について、現時点で留意すべき疾患を問う問題である。母体の抗SS-A(抗Ro)抗体は胎盤を通過し胎児の心臓刺激伝導系(房室結節)を障害して新生児ループスに伴う先天性房室ブロックを引き起こすことが知られており、徐脈の出現に留意する必要があるため選択肢4が正答である。日齢2に便色が黒緑色(胎便)から黄褐色(移行便)へ正常に変化しており胆道閉鎖症を示唆する灰白色便はみられない。体温37.3℃・心拍数130/分と感染を示唆する所見は乏しい。抗SS-A抗体関連で問題となる不整脈は房室ブロックによる徐脈であり頻脈性不整脈ではない。


選択肢の解説

1日齢2に便色が胎便(黒緑色)から黄褐色の移行便へ正常に変化しており、胆道閉鎖症を示唆する灰白色便はみられないため誤りである。
2体温37.3℃・心拍数130/分と感染を疑う発熱や全身状態の悪化はなく、現時点で最も留意すべき疾患とはいえないため誤りである。
3抗SS-A抗体関連の新生児ループスで問題となる不整脈は刺激伝導系障害による房室ブロック(徐脈)であり、頻脈性不整脈ではないため誤りである。
4母体の抗SS-A抗体が胎盤を通過し胎児心臓の刺激伝導系を障害して先天性房室ブロックを生じうるため、徐脈に留意すべきで正しい。

用語

抗SS‑A抗体
全身性エリテマトーデス(SLE)患者の体内で産生される自己抗体です。胎盤を通過して胎児に移行し、胎児の心臓刺激伝導系(房室結節)を障害して先天性房室ブロックを引き起こすことが知られています。
臍帯血
出生時に臍帯と胎盤に残されている血液です。新生児の免疫状態や母体由来の抗体を検査する際に用いられ、この設問では母体の抗体の有無を確認する重要な検体です。
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