問102
状況設定
Aさん(70歳、女性)は夫(68歳)と2人で暮らしている。BMI 26で左股関節の変形性関節症のため関節可動域の制限と疼痛があり、外出時はT字杖を使用している。症状が強いときには消炎鎮痛薬を服用しているが、日常生活動作は自立している。Aさんは過去に転倒したことはないが、左右の下肢の差が3cmあり、立ち上がるときにふらつくことがある。自宅で座って過ごす時間が長い。Aさんは定期受診のため夫に付き添われて外来を受診した。
B看護師は、Aさんが処置室前の待合室でT字杖を持ち、椅子から立ち上がろうとしているのを見かけた。B看護師が声をかけると、Aさんは「夫が会計をしていますが、急にトイレに行きたくなって」と慌てていた。夫はAさんから2mほど離れた所で会計をしているため、Aさんの様子に気がついていない。待合室は患者や家族で混雑しており、外来にある車椅子は別の患者が使用中だった。AさんへのB看護師の声かけで適切なのはどれか。
- 1「車椅子を探してきます」
- 2「ご主人をお呼びしましょう」
- 3「トイレまで一緒に行きましょう」✓ 正解
- 4「転ばないように気を付けて行ってくださいね」
正解
3
解説
排尿の切迫を訴える転倒リスクの高い患者への安全確保を問う状況設定問題である。Aさんは左股関節の変形性関節症で可動域制限・疼痛があり、左右下肢差3cm、立ち上がり時のふらつきがあって転倒の危険が高い。急いでトイレに向かおうとする状況では転倒のリスクが最も高まるため、看護師がその場で付き添って安全に移動を介助することが最優先である。車椅子は使用中で、夫を呼ぶにも時間がかかり、いずれも切迫した排尿欲求と転倒の危険に即時に対応できない。看護師自身がトイレまで同行する選択肢3が最も適切である。したがって正答は選択肢3である。
選択肢の解説
1車椅子は別の患者が使用中であり、探している間にAさんが1人で動いて転倒する危険がある。切迫した状況に即時対応できず適切でない。
2夫は会計中で2m離れており気づいていない。呼びに行く間にAさんが1人になり転倒する危険があり、その場の安全確保にならない。
3正しい。転倒リスクが高く排尿が切迫したAさんに看護師がその場で付き添い、安全にトイレへ移動を介助することが最優先で適切である。
4声かけのみで1人で行かせると、ふらつきのあるAさんが転倒する危険が高い。見守りや介助がなく安全を確保できないため不適切である。
用語
- T字杖
- 杖の先端がT字型をした歩行補助具で、握りやすく安定性が高いため、下肢の虚弱や疼痛がある患者に使用されます。