問112
状況設定
Aさん(22歳、男性)は、高校卒業後に就職したが、同僚との関係がうまく築けず、転職を繰り返している。「他の人と自分はどこか違う。自分の将来が不安だ」と感じたAさんは精神科クリニックを受診し、自閉症スペクトラム障害と診断された。Aさんは小学生のころから他人の気持ちが理解できないときがあり、対人関係を築くことが苦手で、学校で孤立していた。また、偏食が強く、るいそうがみられたために、同級生から容姿のことでいじめられたことがあった。中学校や高校では忘れ物が多く、集団生活になじめなかった。
Aさんに認められるのはどれか。
- 1被害妄想
- 2予期不安
- 3ボディイメージの障害
- 4コミュニケーションの障害✓ 正解
正解
4
解説
自閉症スペクトラム障害(ASD)の中核症状を問う状況設定問題である。Aさんは小学生のころから他人の気持ちが理解できず、対人関係を築くことが苦手で孤立し、同僚との関係がうまく築けないなど、社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応の持続的な障害がみられる。これはASDの中核症状であるコミュニケーションの障害に該当する。したがって正答は選択肢4である。
選択肢の解説
1被害妄想は他者から害を加えられるという訂正不能な確信で、統合失調症などでみられる。Aさんに妄想を示す記述はなく当てはまらない。
2予期不安は将来の発作や事態を予期して不安が高まる状態で、主にパニック症などでみられる。Aさんの将来への不安はあるが中核として問われるASDの症状ではない。
3ボディイメージの障害は自分の身体像のとらえ方の歪みで、神経性やせ症などでみられる。Aさんに身体像の歪みを示す記述はなく当てはまらない。
4正しい。他人の気持ちが理解できず対人関係を築けないという持続的な社会的コミュニケーションの障害は、自閉症スペクトラム障害の中核症状であるコミュニケーションの障害に該当する。