問70
Aさん(90歳、男性)は要介護3となり、長男(60歳)と同居することになった。長男は「親を介護することがこんなに大変だとは思わなかった。親が衰えてつらいと感じるのは自分だけだろうか」と訪問看護師に話した。訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。
- 1高齢者の介護方法について説明する。
- 2訪問看護の時間中に長男に外出を促す。
- 3Aさんの短期入所サービスの利用を勧める。
- 4親の介護をしている介護者の了解を得て長男に紹介する。✓ 正解
正解
4
解説
長男は「親を介護することがこんなに大変だとは思わなかった」「つらいと感じるのは自分だけだろうか」と、介護負担感と孤立感を訴えている。同じ立場で介護を経験している介護者(ピア)を、その了解を得たうえで紹介することは、体験や思いを分かち合い、孤立感を和らげ介護負担への対処を支えることにつながる。したがって親の介護をしている介護者の了解を得て長男に紹介するが最も適切である。
選択肢の解説
1誤り。長男が訴えているのは介護技術の不足ではなく、つらさや孤立感という心理的負担である。まず介護方法を説明することは、長男の感情に寄り添う対応として最も適切とはいえない。
2誤り。訪問看護の時間中に外出を促すのは一時的な気分転換にはなり得るが、長男が抱える孤立感や負担感そのものへの支援にはならず、最も適切とはいえない。
3誤り。短期入所サービスは介護負担軽減の選択肢ではあるが、長男はまず気持ちを受け止めてほしい段階にあり、いきなりサービス利用を勧めるのは最優先の対応ではない。
4正しい。介護経験のある介護者を本人の了解を得て紹介すること(ピアサポート)により、悩みや思いを共有でき、長男の孤立感の軽減と介護継続の支えになる。
用語
- 要介護3
- 介護保険制度で定められた7段階の要介護認定のうち、中程度の介護が必要な状態を指します。日常生活の多くの場面で介護が必要となり、要介護1・2よりも支援の程度が大きく、訪問看護などのサービスが重要な役割を果たします。
- 訪問看護師
- 高齢者や障害者の居宅を訪問して、医療的ケアと日常生活上の支援を行う看護職です。療養上の世話だけでなく、本問のようにクライアント家族の相談相手となり、心理・社会的な支援も担う重要な役割があります。