問102
状況設定
Aちゃん(7歳、女児)は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に来院した。1か月前に扁桃炎に罹患した以外は既往歴に特記すべきことはない。扁桃炎は抗菌薬を内服し軽快した。検査の結果、溶連菌感染後急性糸球体腎炎と診断されて入院した。入院時、Aちゃんは体温36.6℃、呼吸数20/分、心拍数84/分、血圧130/80 mmHgで、床上安静の指示が出された。
入院して1週が経過した。症状は軽快傾向にあるが床上安静は続いている。仲が良かった同じ病室の児が退院して、Aちゃんはイライラしている。Aちゃんの母親は、毎日昼食後から夕食まで面会をしている。Aちゃんのストレスに対する看護師の発言で適切なのはどれか。
- 1「すぐに退院できるから頑張ろう」
- 2「好きなだけテレビや動画を観ていいよ」
- 3「ベッドに寝たままプレイルームに行こう」✓ 正解
- 4「夕食後もお母さんに付き添ってもらおう」
正解
3
解説
急性糸球体腎炎の急性期では血圧管理と腎血流の安定のために床上安静が必要だが、7歳の学童にとって安静の長期化と遊び仲間の退院は強いストレスとなり、イライラなどの情緒的反応を生じる。看護では安静の指示を守りつつ、発達段階に応じた遊びや気分転換の機会を確保することが重要である。ベッドに寝たままプレイルームへ移動すれば、床上安静を保ちながら環境を変えて他児との交流や遊びの機会が得られ、ストレスの緩和につながるため適切である。
選択肢の解説
1「すぐに退院できる」という根拠のない見通しを伝えるのは不適切で、実際の経過と異なれば不信を招く。安静はまだ続いており、安易な励ましはストレスの根本的解消にならない。
2テレビや動画を無制限に観せることは生活リズムの乱れや受け身的な過ごし方を助長し、学童の主体的な遊びや交流による気分転換にはつながりにくく、適切な対応とはいえない。
3正しい。ベッドに寝たまま移動すれば床上安静を保ちつつプレイルームで環境を変え、他児との交流や遊びによってストレスを和らげることができる。
4母親は毎日昼食後から夕食まで面会しており、付き添い時間を延ばすことが第一の援助ではない。親への依存を強めるだけでAちゃん自身の気分転換や同年代との交流というニーズには応えられない。
用語
- 床上安静
- ベッドから出さない状態で安静を保つことです。心臓や腎臓の負担を減らし、血圧管理や臓器血流の安定が必要な急性期患者に指示されます。
- 軽快傾向
- 症状が徐々に改善に向かう経過を指します。急性疾患の回復過程で、症状の重症度が低下していく状態を医学的に表現した用語です。