問105
状況設定
A君(5歳、男児)は共働きの両親と3人で暮らしている。2歳6か月で自閉スペクトラム症と診断され、保育所と療育センターに通っている。保育所の健康診断で低身長を指摘され、受診を勧められて両親と来院した。A君は待合室を走ったり診察室の扉を開けたりしていた。診察室に入ると「頑張ろう」と泣きながら叫び、恐怖心を抑えている様子だった。母親は「Aは病院が苦手で、予防接種はAの手足と体を看護師さん3人で抑えて行ってきましたが、繰り返し説明することで、抑えなくても注射ができるようになりました」と話した。診察の結果、後日精査に成長ホルモン分泌刺激試験を行うことになった。母親から「Aが血液検査でパニックを起こすのではないかと心配です」と発言があった。
3か月後、自宅でのA君への成長ホルモン製剤の注射は順調に実施されている。外来受診時に母親から看護師に「Aが通っている療育センターにも相談しましたが、Aは自閉スペクトラム症であるだけでなく、注射もしているので就学のことを考えると心配です。通常の学級に通わせたいと考えているのですが、通常の学級への就学について教えてください」と相談があった。看護師の説明で適切なのはどれか。
- 1「お母さんが学校で待機する必要があります」
- 2「就学する学級は受入れ先の校長が決定します」
- 3「通常の学級に籍を置くと通級指導は受けられません」
- 4「A君の特性に合わせた配慮を学校に求めることができます」✓ 正解
正解
4
解説
障害のある子どもの就学先は、本人・保護者の意向を最大限に尊重したうえで、本人の教育的ニーズや専門的見地、学校・地域の状況を総合的に勘案し、市町村教育委員会が総合的に判断して決定する。通常の学級に就学する場合でも、障害者差別解消法に基づく合理的配慮として、本人の障害特性に応じた配慮(環境調整や支援の工夫など)を学校に求めることができる。したがって、A君の特性に合わせた配慮を学校に求められると説明するのが適切である。
選択肢の解説
1通常の学級への就学にあたり、保護者が常時学校で待機しなければならないという決まりはない。誤った説明であり不適切である。
2就学先・就学する学級は受入れ校の校長が決めるのではなく、本人・保護者の意向を尊重しつつ市町村教育委員会が総合的に判断して決定する。
3通常の学級に在籍しながら、必要に応じて通級による指導(通級指導)を受けることは可能である。籍を置くと受けられないという説明は誤りである。
4正しい。障害者差別解消法に基づき、通常の学級でも本人の障害特性に応じた合理的配慮を学校に求めることができる。
用語
- 自閉スペクトラム症
- 発達段階における神経発達上の特性を持つ状態で、社会的相互作用やコミュニケーション、行動パターンに特徴がみられます。本問では、お子さんが通常の学級での就学を希望する際の配慮の必要性を判断する根拠となります。
- 療育センター
- 発達が気になる乳幼児から学齢期までの子どもに対し、診断・指導・相談などの総合的な支援を提供する専門施設です。就学前の相談や発達支援における重要な機関として位置づけられています。