第113回 看護師国家試験(午後)母性看護学

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帝王切開術後5日、診察の結果、明日退院することになった。Aさんの乳房は緊満しており、乳管は左右とも5、6本開通している。母児同室を行い、児の哺乳の欲求に合わせて1日10回の授乳を行っている。「母乳で育てたいと思っています。でもおっぱいが張ってつらいです。この子も上手に吸ってくれません」と看護師に話した。 このときの看護師の説明で適切なのはどれか。

  1. 1「授乳の回数を減らしましょう」
  2. 2「授乳前に乳輪を柔らかくしましょう」✓ 正解
  3. 3「授乳と授乳の間は乳房を温めましょう」
  4. 4「乳房の緊満が強くなるのはこれからです」

正解

2

解説

産褥5日で乳房が緊満し乳管が左右5〜6本開通しているのは乳汁産生が活発になった正常な経過だが、乳輪部まで硬く緊満すると児が乳輪を含みにくく(深くくわえられず)うまく吸啜できない。授乳前に乳輪部を圧迫して少量搾乳するなどして乳輪を柔らかくすると、児が乳輪を深く含めるようになり吸着(ラッチオン)が改善し、効果的な授乳と乳房緊満の緩和につながる。したがって、授乳前に乳輪を柔らかくするという説明が適切である。


選択肢の解説

1授乳回数を減らすと乳汁がうっ滞して緊満が悪化し、乳腺炎のリスクも高まる。母乳育児を希望するAさんに対して回数を減らすのは不適切である。
2正しい。授乳前に乳輪部を柔らかくすると児が乳輪を深く含めるようになり、吸着が改善して効果的に吸啜でき、緊満の緩和にもつながる。
3乳房が緊満している時期に授乳間に温めると血流増加でうっ血・緊満が増強しうる。緊満が強いときはむしろ冷罨法が適し、温めるのは適切でない。
4産褥3〜5日頃が乳房緊満のピークで、その後は授乳に伴い軽減していく。『緊満が強くなるのはこれから』という説明は経過と異なり、つらさを訴えるAさんへの援助にもならない。

用語

緊満
乳房組織に乳汁が充満して硬く張った状態を指します。産褥5日前後は乳汁産生が活発化するため正常な経過ですが、乳輪部まで硬くなると児が乳輪を深く含めず、吸着(ラッチオン)が不十分になり、有効な授乳ができなくなります。
母児同室
産後、母親と新生児が同じ室内で一緒に生活する産褥期の管理方法です。児の哺乳欲求に応じた授乳、スキンシップの増加、退院後の育児への適応促進といった利点があります。
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