問86
状況設定
Aさん(55歳、男性、会社員)は30年の喫煙歴がある。会社の健康診断で高血圧を指摘されて生活習慣の改善を勧められたが「週末にスポーツジムで運動するようになったけれど、仕事が忙しくてこれ以上生活を変える自信はありません」と述べた。
Aさんの自己効力感を高める支援はどれか。2つ選べ。
- 1Aさんの運動への取り組みを評価する。✓ 正解
- 2Aさんの職場の上司に配慮転換を依頼する。
- 3Aさんが取り組めそうな目標を一緒に設定する。✓ 正解
- 4Aさんが生活習慣を改善する気持ちになるまで待つ。
- 5Aさんが脳血管疾患になる危険性が高いことを説明する。
正解
1・3
解説
自己効力感(セルフ・エフィカシー)は「自分はその行動を遂行できる」という確信であり、達成体験(成功体験)と言語的説得(励まし・承認)などによって高められる。Aさんが既に始めた運動の取り組みを評価・承認すること(達成体験の強化)と、Aさんが実行可能な目標を一緒に設定すること(達成可能な目標による成功体験)は自己効力感を高める支援であり、正答は「1」と「3」である。
選択肢の解説
1Aさん自身が始めた運動の取り組みを肯定的に評価することは達成体験を強化し自己効力感を高めるため、適切である。
2上司に配慮(業務転換)を依頼するのは環境調整であり、Aさん自身の「できる」という確信=自己効力感を高める支援とはいえないため不適切である。
3本人が取り組めそうな現実的な目標を一緒に設定することは成功体験を得やすくし、自己効力感を高めるため適切である。
4気持ちになるまで待つだけでは具体的な働きかけにならず、自己効力感を高める積極的支援とはいえないため不適切である。
5疾病の危険性を強調する説明は恐怖感を与えうるが、行動を遂行できるという自己効力感を直接高める支援ではないため不適切である。
用語
- 自己効力感
- 「自分はその行動を遂行できる」という確信であり、達成体験や言語的説得などを通じて高められます。患者の行動変容支援や健康行動の実践を促す上で、看護職が重視する心理的要因です。