問97
状況設定
Aさん(71歳、女性)は夫と10年前に死別し、1人で暮らしている。息子は結婚して他県に住んでいる。Aさんは、3か月前に脳梗塞を発症して要介護1となり、介護老人保健施設に入所した。Aさんは老人性白内障があるがADLに支障はなく、認知機能やコミュニケーションに問題はない。食事は自力で摂取できる。紅茶が好きで、毎日カップ2、3杯は飲んでいる。我慢できない強い尿意があり尿が漏れてしまうため、下着に尿取りパッドを付けている。トイレには自力で移動でき、下着やズボンの上げ下ろしは自立している。排便は2日に1回である。
Aさんの尿失禁の種類で考えられるのはどれか。
- 1溢流性尿失禁
- 2機能性尿失禁
- 3切迫性尿失禁✓ 正解
- 4腹圧性尿失禁
正解
3
解説
Aさんは「我慢できない強い尿意があり尿が漏れてしまう」と訴えており、これは強い尿意切迫感に続いて不随意に排尿してしまう切迫性尿失禁の典型的な症状である。脳梗塞後では排尿反射の抑制が障害され過活動膀胱を生じやすいことも矛盾しない。よって正答は「3 切迫性尿失禁」である。
選択肢の解説
1溢流性尿失禁は尿閉などで膀胱に充満した尿が少しずつあふれ出る失禁で、強い尿意切迫感を伴う本例の病態とは異なるため誤り。
2機能性尿失禁は排尿機能は保たれるが運動障害や認知症などでトイレに間に合わず漏れるもので、Aさんはトイレ移動も自立しており当てはまらないため誤り。
3我慢できない強い尿意(尿意切迫感)の直後に不随意に漏れるのは切迫性尿失禁の特徴であり、脳梗塞後の過活動膀胱とも合致するため正しい。
4腹圧性尿失禁は咳・くしゃみなど腹圧上昇時に漏れるもので、強い尿意切迫感を訴える本例とは病態が異なるため誤り。
用語
- 尿失禁
- 意思に反して尿が漏れ出る症状の総称。脳梗塞などで脳からの排尿制御が障害されると、切迫性尿失禁など過活動膀胱に関連した形態が生じやすくなります。