問107
Aちゃん歳か月、女児!は、午前時ころ、ポータブル型のゲーム機用の直径10 mmのボタン型電池を誤飲し、午前10時に両親に付き添われ外来を受診した。看護師がAちゃんを観察すると、機嫌は良くバイタルサインも安定していた。Aちゃんに成長や発達の遅れはない。待合室にはAちゃんの他に人の患児が診察を待っていた。それぞれは以下のとおりである。B君歳か月、男児!:今朝、カーペットの敷かれたフロアで歩行中に転倒。バイタルサインは正常、顔色良好。母親に抱っこされて遊んでいる。Cちゃん歳、女児!:体温39.5℃、呼吸数23/分、脈拍100/分、鼻汁多量、機嫌良好、顔色良好。D君か月、男児!:自宅で痙攣したため受診。初めての痙攣で、分間継続したが、受診時には止まっている。待合室にて回の嘔吐。体温38.7℃。声かけで開眼するが、すぐにうとうとする。
Aちゃんは、腹部エックス線撮影で胃内にボタン型電池が認められ、全身麻酔下での内視鏡でボタン型電池を摘出し、消化管粘膜に大きな問題はなかった。摘出後、小児病棟に泊入院した。小児病棟に入院時間後、看護師が訪室するとAちゃんは覚醒しており、図別冊No. 3!のように「ママー、ママー」と言いながら大声で泣き、ベッドから両親の方に手を伸ばしている。両親は戸惑った様子で、ベッドの傍に立っている。このときの看護師による安全な療養環境の整備で適切なのはどれか。2つ選べ。

- 1ぬいぐるみを取り除く。✓ 正解
- 2毛布をベッド柵にかける。
- 3柵を半分の高さまで降ろす。
- 4点滴ルートの長さを延長する。✓ 正解
- 5点滴スタンドをAちゃんの手が届くところまで近づける。
正解
1・4
解説
ボタン型電池を内視鏡で摘出後に入院した4歳児が、覚醒して大声で泣きベッドから親へ手を伸ばしている場面で、安全な療養環境の整備を問う図(別冊No.3)の問題である。図には児のベッド(コット)と点滴ルートなどの器具が示されており、激しく動く幼児では転落・窒息・ルート事故の防止が要点となる。柵の周囲やベッド内に余分な物があると窒息や足がかりによる転落の危険があるため、顔を覆う恐れのあるぬいぐるみは取り除き、児が動いてもルートが引っ張られて抜けないよう点滴ルートには余裕(長さ)をもたせる。したがって正答は選択肢1と4である。
選択肢の解説
用語
- 全身麻酔
- 患者を完全に意識のない状態にして、痛みを感じさせず、筋肉を弛緩させた状態で手術や検査を行う麻酔法です。内視鏡による処置後は、覚醒過程での興奮や予測不可能な動きが起こりやすいため、転落や自己抜去の防止が重要です。
- 内視鏡
- 細長く柔軟なカメラ付きの医療機器で、体内の臓器を直接観察し、同時に診断や処置(異物摘出など)を行うことができます。この症例ではボタン型電池の摘出に用いられ、消化管粘膜への損傷評価も可能にします。
- 消化管粘膜
- 食道から肛門までの消化管を覆う粘膜で、栄養吸収や蠕動運動に重要な役割を果たします。ボタン型電池は放電によってこの粘膜に化学熱傷を引き起こす可能性があるため、摘出後の粘膜状態確認は予後判定に欠かせません。