問84
同種造血幹細胞移植の前に行われる全身放射線照射の目的はどれか。2つ選べ。
- 1感染の予防
- 2拒絶反応の防止✓ 正解
- 3抗癌薬の活性化
- 4腫瘍細胞の根絶✓ 正解
- 5移植片対宿主病〈GVHD〉の予防
正解
2・4
解説
同種造血幹細胞移植前の全身放射線照射(TBI)の目的を問う問題である。TBIは前処置として行われ、(2)患者の免疫系を抑制してドナー細胞の生着を促し拒絶反応を防止すること、(4)残存する腫瘍細胞を根絶することの2つが目的である。これらが正答となる。
選択肢の解説
1感染の予防は目的ではない。むしろ照射と前処置で免疫が著しく抑制され、感染のリスクは高まる。
2全身放射線照射は患者の免疫細胞を抑制し、移植したドナー細胞の拒絶反応を防止する目的があり正答である。
3抗癌薬の活性化は放射線照射の目的ではない。
4全身放射線照射には残存する腫瘍(白血病)細胞を根絶する目的があり、正答である。
5GVHDはドナーのリンパ球が患者を攻撃する反応であり、全身放射線照射でこれを予防することはできない。GVHD予防には免疫抑制薬などが用いられる。
用語
- 同種造血幹細胞移植
- 異なるHLAを持つドナーから採取した造血幹細胞を患者に移植する治療法です。前処置として全身放射線照射や化学療法を行い、患者の免疫系を抑制してドナー細胞の生着を促進します。
- 全身放射線照射
- 全身に放射線を照射する前処置です。造血幹細胞移植前に行われ、患者の免疫系を抑制してドナー細胞の拒絶反応を防ぐとともに、残存する腫瘍細胞を根絶する目的があります。