第115回 看護師国家試験(午前)看護の統合と実践

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Aさん(89歳、女性)は災害によって自宅が損壊し、避難所で生活を始めた。看護師が面談を行うと「食欲がない。横になっても眠れず、すぐに目が覚めてしまう」と話し、元気がない様子である。避難所ではトイレと食事以外はほとんど動かずに過ごしている。Aさんには被災前の通院歴はなく、日常生活動作〈ADL〉は自立している。看護師の対応で優先度が高いのはどれか。

  1. 1頑張るように言葉をかける。
  2. 2直ちに入院できる病院を探す。
  3. 3軽い運動ができるように環境を整える。✓ 正解
  4. 4睡眠薬の処方について医師と相談する。

正解

3

解説

災害により避難所生活を送る高齢者で、食欲低下・不眠・活動量の低下がみられる事例への対応の優先度を問う問題である。Aさんはほとんど動かない生活により生活不活発(廃用症候群)に陥りつつあり、まずは安全に体を動かせる環境を整えて活動量を保ち、心身の機能低下を防ぐことが優先される。励ましの言葉は本人を追い詰める恐れがあり、入院や睡眠薬は現時点で優先度が高い対応とはいえない。


選択肢の解説

1誤り。元気がない高齢者に「頑張るように」と励ますことは、かえって心理的負担を増す恐れがあり適切でない。
2誤り。通院歴がなくADLも自立しており、直ちに入院を要する身体・精神症状の情報はないため、入院先を探す優先度は高くない。
3正しい。ほとんど動かない生活による生活不活発(廃用症候群)を防ぐため、軽い運動ができる環境を整えて活動量を保つことが優先度の高い対応である。
4誤り。睡眠薬は高齢者では転倒やふらつきの危険があり、まず生活環境を整える対応より優先されるものではない。

用語

日常生活動作〈ADL〉
Activities of Daily Livingの略。食事、排泄、入浴、着替え、移動など、人が日常生活を営むために必要な基本的な動作。ADLが自立しているかどうかは、高齢者の機能評価と介護度判定の重要な指標となります。
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