問92
状況設定 問91-93
Aさん(80歳、男性、要介護2)は1人で暮らしている。脳出血を発症し、急性期病院で地域連携クリニカルパスに沿って治療が行われた。軽度の右不全麻痺と失語があるため、回復期リハビリテーション病院に転院した。Aさんは自宅退院を希望している。退院後はかかりつけの診療所へ通院し、訪問看護と訪問介護を利用する予定である。
退院1か月後、隣町に住んでいる長男がAさん宅を訪ねると、Aさんは嘔吐と下痢をしていた。長男が付き添ってかかりつけの診療所を受診したところ、Aさんは感染性胃腸炎と診断された。Aさんの長男から依頼を受け、訪問看護師はAさんの体調確認のために臨時で訪問した。このときの訪問看護師の対応で正しいのはどれか。
- 1保健所に感染性胃腸炎の発生届を提出する。
- 2Aさんが石鹸と流水で手洗いできているか確認する。✓ 正解
- 3介護支援専門員に訪問介護を中止するよう連絡する。
- 4長男に吐物で汚染した衣類は洗濯して室内に干すよう伝える。
正解
2
解説
感染性胃腸炎では、患者本人および介護者の手指衛生が感染拡大防止の基本である。臨時訪問した看護師の対応として、Aさんが石鹸と流水で正しく手洗いできているかを確認すること(2)が正しい。感染性胃腸炎は一般に届出義務のある疾患ではなく(食中毒等の集団発生を除く)、訪問介護を一律に中止する必要はなく、吐物で汚染した衣類は次亜塩素酸ナトリウムなどで処理し室内干しは飛沫拡散の点から避けるべきである。
選択肢の解説
1一般的な感染性胃腸炎は保健所への発生届の対象ではなく、提出するという対応は誤りである。
2石鹸と流水による手洗いは感染拡大防止の基本であり、実施状況を確認することは適切で正答である。
3感染対策を講じれば訪問介護を継続でき、一律に中止を連絡するのは不適切である。
4吐物で汚染した衣類は次亜塩素酸ナトリウムで消毒し他と分けて処理すべきで、洗濯して室内に干すと病原体が拡散する恐れがあり不適切である。
用語
- 感染性胃腸炎
- ウイルスや細菌などの病原体により引き起こされる胃腸の炎症。本設問では患者本人および介護者の手指衛生が感染拡大防止の基本となり、石鹸と流水での手洗いが重要な対策とされている。