問105
状況設定 問103-105
Aさん(102歳、女性)は夫と死別した後、介護老人福祉施設に入所しており、息子夫婦が頻繁に面会に来ている。転倒による大腿骨骨折をきっかけに寝たきりになり、食事摂取量が低下した。Aさんは「私はここで最期を迎えたい」と自分の気持ちを看護師に話した。看護師は、Aさんが点滴や酸素吸入などの延命処置を希望しないことを確認した。医師は家族にAさんは老衰であるため回復の見込みが低いことを伝え、家族も延命処置は行わずに施設での看取りに同意した。
Aさんは深い昏睡状態となり、四肢の冷感、チアノーゼ、喘鳴および下顎呼吸が出現してきた。医師は家族にAさんの死期が近いことを説明した。看護師の対応で最も適切なのはどれか。
- 1足浴を行う。
- 2口腔内吸引を行う。
- 3心肺蘇生の準備をする。
- 4家族と過ごせるよう居室を整備する。✓ 正解
正解
4
解説
死期が迫った深昏睡・下顎呼吸の患者に対する看護を問う設問である。延命処置を希望しない看取りの方針が確認されており、四肢冷感・チアノーゼ・喘鳴・下顎呼吸は死が極めて近い臨終期の徴候である。この時期は積極的治療ではなく、患者の安楽と家族が悔いなく付き添える環境づくりが優先される。「家族と過ごせるよう居室を整備する」は本人・家族の意向に沿った看取りの援助で、選択肢4が最も適切である。
選択肢の解説
1足浴は安楽ケアの一つだが、下顎呼吸が出現し死期が切迫したこの時点では、家族との時間確保を優先すべきで最も適切とはいえない。
2喘鳴は死前喘鳴であり、口腔内吸引はかえって苦痛を与え本人の安楽を損なうため、この時期の対応として適切でない。
3心肺蘇生の準備は、延命処置を希望せず看取りに同意している本人・家族の意向に反するため不適切である。
4家族と過ごせるよう居室を整備することは、家族が悔いなく最期に付き添えるよう支える看取りの援助であり最も適切である。
用語
- チアノーゼ
- 皮膚や粘膜が青紫色に変色する現象です。酸素不足により脱酸素化ヘモグロビンが増加することで生じ、死期が近い患者に見られる臨終期の重要な兆候となります。
- 喘鳴
- 呼吸に伴う異常音で、本設問では気道分泌物の貯留による呼吸音を指します。深い昏睡状態の患者に見られ、死が極めて近い臨終期の特有な兆候です。
- 下顎呼吸
- 下顎が上下に動いて呼吸する現象で、脳幹機能の著しい低下時に見られます。自発的な呼吸がほぼ停止した状態を示す臨終期の最終段階の徴候です。