問83
基礎疾患のない患者の痔瘻について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1先天性の疾患である。
- 2悪性腫瘍の発生がある。✓ 正解
- 3手術療法が原則である。✓ 正解
- 4上下直腸静脈の静脈瘤である。
- 5骨盤底筋群の虚弱が原因である。
正解
2・3
解説
痔瘻は、肛門陰窩から細菌が侵入して肛門周囲膿瘍を生じ、それが自壊・排膿した後に肛門管と肛門周囲皮膚を結ぶ瘻管(トンネル)が残った状態である。原則として自然治癒は望めず、瘻管を切開開放または切除する手術療法が根治治療となる。また長期に放置された慢性の痔瘻からは痔瘻癌(粘液癌など)が発生することがあり、悪性腫瘍化のリスクがある。正答は「2」と「3」である。
選択肢の解説
1痔瘻の大部分は肛門腺の感染(肛門周囲膿瘍)を原因とする後天性の疾患であり、先天性疾患ではないため誤りである。
2長期間経過した慢性痔瘻からは痔瘻癌が発生することがあり、悪性腫瘍の発生がみられるため正しい。
3痔瘻は薬物では治癒せず、瘻管の開放術や切除術などの手術療法が原則であるため正しい。
4直腸下部・肛門部の静脈叢が拡張・うっ血したものは痔核(いぼ痔)であり、痔瘻とは異なるため誤りである。
5骨盤底筋群の脆弱化が原因となるのは骨盤臓器脱や便失禁などであり、感染を機序とする痔瘻の原因ではないため誤りである。
用語
- 痔瘻
- 肛門陰窩からの細菌感染により肛門周囲に膿瘍を生じ、その排膿後に肛門管と肛門周囲皮膚を結ぶトンネル状の瘻管が形成される疾患です。手術療法が根治治療となり、長期に放置されると悪性腫瘍化のリスクがあります。