問95
状況設定 問94-96
Aさん(55歳、男性)は会社の健康診断で便潜血が陽性となった。他の検査項目に異常がなかったため、精密検査を受けなかった。6か月後、妻の強い勧めで病院を受診し「体調に変化がなかったので、仕事を優先していました。たくさん検査を受けないといけないのですね」と話した。Aさんに特記すべき既往歴はない。
Aさんは腹腔鏡を用いた気腹法による左半結腸切除術を受けることになった。入院に付き添ってきた妻は「腸を半分も切ると言われて驚いてしまいました。ずいぶん切るそうですが、どんな手術になるのかしら」と話した。Aさんの手術について正しいのはどれか。
- 1局所麻酔で行う。
- 2上行結腸側を切除する。
- 320 cm程の切開創ができる。
- 4二酸化炭素を腹腔内に入れる。✓ 正解
正解
4
解説
腹腔鏡を用いた気腹法による左半結腸切除術についての問題である。腹腔鏡手術は全身麻酔下で行い、腹壁に数か所の小切開(ポート)を作って実施するため、開腹手術のような大きな切開創はできない。気腹法では腹腔内に二酸化炭素(炭酸ガス)を注入して気腹し、術野を確保する。左半結腸切除術では下行結腸側を中心に切除する。正答は「4」である。
選択肢の解説
1腹腔鏡下の結腸切除術は全身麻酔で行われるものであり、局所麻酔ではないため誤りである。
2左半結腸切除術では下行結腸側を切除するものであり、上行結腸側(右側)ではないため誤りである。
3腹腔鏡手術は数か所の小さなポート創(および摘出用の小切開)で行うため、20cm程度の大きな切開創はできず誤りである。
4気腹法では術野確保のために腹腔内に二酸化炭素を注入するため正しい。
用語
- 腹腔鏡
- 腹部の小さな切開口から挿入し、腹腔内を観察・手術するための医療機器です。カメラとライトが付属しており、モニター画面で術野を確認しながら微細な手術操作を行えます。
- 気腹法
- 腹腔鏡手術で視野を確保するため、腹腔内に二酸化炭素ガスを注入して腹部を膨らませる方法です。これにより臓器が広がり、手術操作の空間が生まれます。
- 左半結腸切除術
- 結腸の左側部分(下行結腸から乙状結腸の一部)を切除する手術です。腹腔鏡や開腹手術で行われ、がんや炎症性疾患の治療に用いられます。