問99
状況設定 問97-99
Aさん(21歳、女性、大学生)は半年ほど前から疲れやすさを自覚していた。その後、安静時にも息切れと動悸が出現するようになり、1か月前から所属するテニスサークルを休んでいる。数日前からは手が震えるようになり、学業にも支障が出てきた。頻繁に汗が出ると自覚しており、母親から「首が腫れている」と指摘され受診した。受診時は、身長160 cm、体重44 kgで半年前から6 kg減少している。体温37.5℃、呼吸数22/分、脈拍132/分、血圧152/70 mmHgであった。
2週後の外来受診でAさんは「Basedow〈バセドウ〉病を知るほど怖くなってきた。眼が出ることもあるって。最近、足がつることが多くてテニスもできていない。就職が決まったけど働くことができるのかしら。将来、結婚したり妊娠したりできるのかも心配」と思いを訴えた。看護師の返答で適切なのはどれか。
- 1「自宅療養が必要です」
- 2「眼が出ることはありません」
- 3「妊娠、出産は避けてください」
- 4「症状が落ちつけば運動できます」✓ 正解
正解
4
解説
バセドウ病の若年女性が、眼症状・運動・就労・妊娠出産への不安を訴えた場面での看護師の返答を問う問題である。バセドウ病は適切な治療により甲状腺機能が安定すれば、日常生活や運動、就労、妊娠・出産も可能となる予後良好な疾患である。患者の不安に対しては、症状が落ち着けば運動もできることを伝え、治療継続への前向きな気持ちを支える返答が適切である。正答は「4」である。
選択肢の解説
1バセドウ病は治療で機能が安定すれば通常の生活が送れる疾患であり、一律に自宅療養が必要とはいえないため誤りである。
2バセドウ病では甲状腺眼症(眼球突出など)を生じることがあり、「眼が出ることはない」と断定するのは誤った情報を与えるため誤りである。
3甲状腺機能をコントロールすれば妊娠・出産は可能であり、一律に避けるよう伝えるのは適切でないため誤りである。
4治療により症状が安定すれば運動も可能であり、患者の不安を和らげる適切な説明であるため正しい。
用語
- Basedow〈バセドウ〉病
- グレーブス病とも呼ばれる自己免疫疾患で、甲状腺機能が過剰になる。女性が罹患しやすく、眼症状、頻脈、発汗などの過剰甲状腺機能症状を呈する。抗甲状腺薬治療により甲状腺機能が安定すれば、就労や妊娠・出産も可能である。