ITパスポート試験 過去問解説

バランススコアカードとは?ITパスポート試験 2016年 (平成28年 秋期) 問13を解説

ITパスポート試験 2016年 (平成28年 秋期) 問13は、バランススコアカードに関する理解を問う問題です。検索から入っても、問題文、選択肢、正解、解説、各選択肢がなぜ違うかをこのページだけで確認できます。

問題文

バランススコアカードを採用する目的として,最も適切なものはどれか。

この問題の出題ポイント

  • バランススコアカードの定義だけでなく、問題文中の条件がどの選択肢に当てはまるかを確認する。
  • ストラテジ系分野では、用語の目的・主体・責任範囲の違いが選択肢で問われやすい。
  • 関連タグ: 経営戦略マネジメント、バランススコアカード、業績評価、BSC。

選択肢

  1. 財務的尺度だけでなく,非財務的尺度からも業績評価を行う。正解
  2. 従業員や株主だけでなく,顧客,取引先,地域社会といった様々な関係者の視点を取り入れた経営計画を推進する。
  3. 強み,弱み,機会,脅威の四つの視点から,企業の特性を事業環境に適合させた戦略を導き出す。
  4. バランスシートに基づいて企業業績を得点化し,他企業との客観的な業績比較を行う。

正解

: 財務的尺度だけでなく,非財務的尺度からも業績評価を行う。

解説

バランススコアカード(BSC,Balanced Scorecard)はキャプランとノートンが1990年代に提唱した業績評価・戦略実行管理手法で,従来の財務指標一辺倒の評価を補正するために,財務の視点に加え,顧客の視点・業務プロセスの視点・学習と成長の視点という非財務の3視点を含む計4視点からバランスよく業績を評価する仕組みである. 財務指標だけでは将来の成長要因(顧客満足,業務改善力,人材育成等)が見えにくいという問題意識から,KPIを多角的に設定し,経営戦略の達成度を多面的に測定・管理することを目的とする. ステークホルダ経営,SWOT分析,バランスシート分析とは目的・観点・性格が大きく異なる別概念である.

なぜ他の選択肢が違うのか

  • ア(正解)

    正しい. BSCは財務的尺度に加え,顧客・内部プロセス・学習と成長などの非財務的尺度からも業績評価を行い,戦略の達成度を多面的に測ることを目的とする手法であり,本問の説明に合致するため. 財務偏重を補正し,長期的な成長要因も含めバランスよく評価することがBSCの中核思想である.

  • 誤り. 従業員・株主・顧客・取引先・地域社会など様々な関係者の視点を取り入れた経営計画を推進する考え方はステークホルダ経営(ステークホルダ・マネジメント)の説明である. BSCの直接的な目的とは異なり,BSCは関係者視点ではなく財務・顧客・プロセス・学習成長の4視点フレームワークが軸となる.

  • 誤り. 強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)・機会(Opportunities)・脅威(Threats)の4視点から企業特性を事業環境に適合させる戦略を導出するのはSWOT分析の説明で,これは経営環境分析の手法である. BSCは業績評価・戦略実行管理の手法であり,目的・観点・タイミングが異なる別の手法に位置付けられる.

  • 誤り. バランスシート(貸借対照表)に基づき企業業績を得点化し他企業との客観的業績比較を行う,という記述はBSCの定義とは無関係である. BSCはバランスシート分析を行う手法ではなく,多視点での業績評価により戦略の実行管理を行う仕組みであり,本選択肢は単に名称の類似性を利用した誤った説明である.

解き方の整理

バランススコアカードの問題では、選択肢のキーワードだけで判断せず、問題文が示す条件と正解選択肢の説明が一致しているかを見ます。誤答選択肢は、似た用語を混ぜる、主体を入れ替える、目的や範囲を広げすぎる、という形で作られることが多いため、選択肢別解説まで確認しておくと復習効率が上がります。

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