問48
状況設定 問48-50
A市で震度6強の地震が発生した。発災後9日目、立ち上げた10か所の避難所では、他自治体から派遣された保健師チームが、避難所の環境整備や避難者の健康観察を行っている。
A市の保健師は派遣された保健師チームから「避難者の中で6割以上を占める高齢者は、区画されたエリアで日中座っていることが多い。内服薬があと数日でなくなる人も散見される。地震を思い出して夜間眠れないという声が増えてきた。乳幼児を連れた家族は家族だけの時間を持ちたいと言い車中泊に切り替えた人もいる。日中、避難所に人が少ない時に、これまで見かけなかった人が避難所を覗いていたという声がある」という報告を受けた。このときのA市の保健師の活動で適切なのはどれか。
- 1日中の見張り役を担う。
- 2高齢者個々への直接支援を率先して担う。
- 3災害派遣精神医療チーム〈DPAT〉の巡回を提案する。✓ 正解
- 4車中泊の家族への支援時間を減らすことを保健師チームへ指示する。
- 5内服薬が必要な人の残薬を保健師チームで管理することを指示する。
正解
3
解説
発災後9日目の避難所運営において、A市保健師(統括する立場)の活動として適切なものを問う問題である。報告には高齢者の不活発・服薬切れ・不眠・防犯上の不安など複数の課題が含まれるが、夜間眠れない人の増加は災害関連のストレス反応であり、専門的な心のケアが必要なサインである。災害派遣精神医療チーム(DPAT)の巡回を提案することは、専門チームと連携して被災者の精神的健康を守る適切な活動である。統括する保健師は自ら個別支援を抱え込むのではなく、適切な資源を調整する役割を担う。
選択肢の解説
1防犯上の不安への対応は必要だが、見張り役を保健師自身が担うのは役割として適切でなく、警察や自主防災組織等との連携で対応すべきである。
2高齢者個々への直接支援を率先して担うのは、避難所全体を統括し資源調整を行うべきA市保健師の役割として適切でなく、派遣保健師チームと連携・分担して対応すべきである。
3正しい。夜間眠れない人の増加は災害ストレスによる心の不調のサインであり、専門の災害派遣精神医療チーム(DPAT)の巡回を提案して連携することは適切な活動である。
4車中泊の家族は自らの意思で家族の時間を選んでおり、深部静脈血栓症等の健康リスクへの見守りはむしろ必要であり、支援時間を減らす指示は適切でない。
5内服薬の確保は重要だが、残薬をチームで管理するのではなく、かかりつけ医や薬剤師等と連携して処方継続につなげる支援が適切である。