問103
状況設定 問103-105
Aちゃん(10歳、女児)は両親と3人で暮らしている。3歳の時に気管支喘息と診断された。6歳までは喘息発作で年に1回は入院していたが、8歳から発作を起こすことはなくなり、定期受診が必要なくなった。ダニとハウスダストに感作がある。
本日Aちゃんは、学校から帰ってきた後から咳嗽がみられ、元気がなかった。夜「苦しくて眠れない」と訴え、母親とともに救急外来を受診した。口元での喘鳴が著明であり、問診すると途切れ途切れに話した。救急外来受診時のバイタルサインは、体温36.6℃、呼吸数36/分、心拍数120/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%であった。Aちゃんの気管支喘息の発作強度はどれか。
- 1小発作
- 2中発作✓ 正解
- 3大発作
- 4呼吸不全
正解
2
解説
小児気管支喘息の発作強度判定に関する問題である。発作強度は呼吸状態・話し方・SpO2などで分類され、中発作は『苦しくて横になれない・会話が途切れ途切れ、SpO2が概ね92〜95%』が目安、大発作は『苦しくて動けない・歩けない、会話困難、SpO2 92%未満』が目安である。Aさんは喘鳴が著明だが途切れ途切れに話すことができ、SpO2 93%でチアノーゼや起坐呼吸困難で動けない状態の記載はないため、中発作と判定するのが適切である。
選択肢の解説
1誤り。小発作は喘鳴が軽度で普通に話せ、SpO2は概ね96%以上である。著明な喘鳴と途切れ途切れの会話、SpO2 93%は小発作の範囲を超える。
2正しい。著明な喘鳴があり会話が途切れ途切れ(短い句で区切れる)、SpO2 93%という所見は中発作に該当する。動けない・会話困難といった大発作の所見はない。
3誤り。大発作はSpO2 92%未満、苦しくて動けない・会話困難が目安である。Aさんは話すことができSpO2 93%であり大発作とまではいえない。
4誤り。呼吸不全はSpO2 90%未満、チアノーゼや意識障害を伴う最重症の状態であり、SpO2 93%で会話可能なAさんは該当しない。
用語
- 咳嗽
- 気道の咳受容体が刺激されることで発生する反射的な呼吸運動で、異物や分泌物を排出する生理的防御反応です。気管支喘息や気道感染症など、呼吸器疾患の重要な症状となります。
- 喘鳴
- 気管支狭窄により空気が通過する際に発生する笛音性の呼吸音で、聴診で確認される重要な臨床徴候です。気管支喘息の発作時に特に著明となり、発作強度判定の指標の一つとなります。
- 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉
- 指先などに装着したパルスオキシメーターで測定される、血液中の酸素飽和度の非侵襲的測定値です。気管支喘息発作の重症度評価において、正常値95%以上に対し、92~95%が中発作、92%未満が大発作・呼吸不全の判定基準となります。