宅地建物取引士試験 平成30年(2018年)10月8: 次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。 (判決文) 賃借人は、賃貸借契約が終了した場合には、賃貸物件を原状に回

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権利関係
AがBに甲土地を売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

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問題本文

次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。 (判決文) 賃借人は、賃貸借契約が終了した場合には、賃貸物件を原状に回復して賃貸人に返還する義務があるところ、賃貸借契約は、賃借人による賃貸物件の使用とその対価としての賃料の支払を内容とするものであり、賃貸物件の損耗の発生は、賃貸借という契約の本質上当然に予定されているものである。それゆえ、建物の賃貸借においては、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃貸物件の劣化又は価値の減少を意味する通常損耗に係る投下資本の減価の回収は、通常、減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行われている。そうすると、建物の賃貸人にその賃貸借において生ずる通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになるから、賃借人に同義務が認められるためには、(中略)その旨の特約(以下「通常損耗補修特約」という。)が明確に合意されていることが必要であると解するのが相当である。

選択肢

  • 1.賃借物件を賃借人がどのように使用しても、賃借物件に発生する損耗による減価の回収は、賃貸人が全て賃料に含ませてその支払を受けることにより行っている。
  • 2.通常損耗とは、賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃借物件の劣化又は価値の減少を意味する。
  • 3.賃借人が負担する通常損耗の範囲が賃貸借契約書に明記されておらず口頭での説明等もない場合に賃借人に通常損耗についての原状回復義務を負わせるのは、賃借人に予期しない特別の負担を課すことになる。
  • 4.賃貸借契約に賃借人が原状回復義務を負う旨が定められていても、それをもって、賃借人が賃料とは別に通常損耗の補修費を支払う義務があるとはいえない。

正解

1. 賃借物件を賃借人がどのように使用しても、賃借物件に発生する損耗による減価の回収は、賃貸人が全て賃料に含ませてその支払を受けることにより行っている。

解説

通常損耗補修特約に関する最判平17.12.16判決文の読み取り問題。判決文は、賃借人が通常の使用で生じる通常損耗の減価分は減価償却費・修繕費として賃料に含まれて回収されており、通常損耗補修特約を賃借人に負わせるには明確な合意が必要とした。判決文は通常の使用による通常損耗のみを対象としており、「どのように使用しても」全損耗の減価が賃料に含まれるとは述べていない。

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