ITパスポート 2016年 (平成28年 春期) 問35「ITガバナンスの実現を目的とした活動の事例として,最も適切なものはどれか。…」の正解と解説です。ITパスポート試験の「マネジメント系」分野の過去問で、これまでの受験者の正答率は約77%です。
正解
イ. 業務効率向上の経営戦略に基づき社内システムをどこでも利用できるようにするために,タブレット端末を活用するIT戦略を立てて導入支援体制を確立した。
正答率 77.0%(1,315人中 1,012人が正解)
問題の解説
ITガバナンスは,経営戦略と整合したIT活用を組織として統制する仕組みであり,経営層が責任を負って,IT戦略の策定,IT投資の決定,リスク管理,価値創出の最大化を統合的に推進する. 業務効率向上の経営戦略に基づきタブレット端末活用などのIT戦略を立案し,導入支援体制まで確立する取組みはまさにITガバナンスの実現活動に該当する. 担当者個人の判断によるシステム修正,地震対策の機器固定,個人の自己啓発は,いずれも組織的なIT戦略の統制やリスク管理を経営目線で推進する活動とは性格が異なるため,ITガバナンスの典型例とは言えない.
選択肢ごとの解説
- 誤り. 担当者でない者が自らの判断でシステムを修正する行為は,変更管理やアクセス制御の観点で重大なリスクとなる勝手な改修であり,むしろITガバナンスやIT統制の不備を示す事例である. 経営戦略と整合したIT活用を組織的に統制する活動とは正反対であり,本問の事例としては適切ではない.
- 正しい. 経営戦略「業務効率向上」に基づき,タブレット端末活用といったIT戦略を立てて導入支援体制を確立する取組みは,経営戦略と整合したIT活用を組織として推進するITガバナンスの典型例である. 経営目標とITの方向性を結びつけ,体制まで整備する点で本問に最も適合する.
- 誤り. サーバやPC,ディスプレイを耐震テープで固定する取組みは,地震災害への備えとしての物理的な施設・設備保全策であり,ファシリティマネジメントの一部に該当する. 経営戦略と整合したIT統制の仕組みであるITガバナンスの活動事例とは異なるレベルの取組みである.
- 誤り. 保守担当者が自己のキャリアパス実現のためにプロジェクトマネジメント能力を高める自己啓発は,個人の学習活動であり人材開発の一環といえる. 経営戦略と整合した組織的なIT統制を推進するITガバナンスの活動事例とは性質が異なり,本問の趣旨には合致しない.
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