問題本文
新システムの開発に当たって実施する業務要件の定義に際し,必ず合意を得ておくべき関係者として,適切なものはどれか。
選択肢
- ア.現行システム開発時のプロジェクトの責任者
- イ.現行システムの保守ベンダの責任者
- ウ.新システムの開発ベンダの責任者
- エ.新システムの利用部門の責任者
解説
業務要件定義で合意を得るべき関係者を問う問題. 業務要件定義は新システムが備えるべき機能や業務面の要求事項を整理・確定する上流工程で,実際にそのシステムを使う「利用者(ユーザー部門)」の合意なしには進められない. 共通フレームでも,要件定義工程はステークホルダ(利害関係者)の合意形成が必須プロセスとして規定され,中でも利用部門の責任者は最重要のステークホルダ. 開発ベンダ・保守ベンダ・過去PJ責任者など外部関係者は契約や情報提供で関与するが,業務要件そのものを決める権限は持たない. 「使う人が合意するまで要件は固まらない」が要件定義の鉄則.
選択肢ごとの解説
- ア.誤り. 現行システム開発時のプロジェクトの責任者は過去のシステム構築経験者として情報提供の参考にはなるが,新システムの業務要件を最終的に承認する立場にない. 業務遂行責任を持つ現在の利用部門こそが合意主体であり,過去PJ責任者は意思決定権者ではない.
- イ.誤り. 現行システムの保守ベンダの責任者は既存システムの仕様や運用に詳しく情報源として役立つが,新システムの業務要件を最終承認する立場にはない. ベンダ側は要件をヒアリング・実現する側であり,業務上の要求を決定する権限は使う側のユーザー部門責任者にあるのが原則.
- ウ.誤り. 新システムの開発ベンダの責任者は要件をシステムとして実装する側であり,業務要件の発信源・決定者ではない. 受注者は利用者から提示された要件を実現する立場で,要件を承認するのは発注者側のユーザー部門責任者となる. 主体と客体の取り違えに注意.
- エ.正解. 新システムの利用部門の責任者は実際にシステムを使って業務を遂行する主体で,業務要件の発信源かつ最終承認者. 利用部門が「これで業務が回る」と合意しない限り要件は確定せず,後工程に進んでも手戻りやシステム破綻を招くため,合意は必須となる.
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