問題本文
A社は,営業担当者が日々のセールス活動で利用する営業部門内システムの構築プロジェクトを進めている。このプロジェクトは,システム開発部門長がプロジェクトマネージャとなり,システム開発部門から選ばれたメンバによって編成されている。当該システムの業務要件定義を完了するための主要な手続として,適切なものはどれか。
選択肢
- ア.営業活動方針を基にプロジェクトメンバが描いたシステムのあるべき姿を,営業企画担当者に提出する。
- イ.営業部門長と営業担当者から聴取した業務ニーズをプロジェクトメンバが整理・要約し,営業部門長と合意する。
- ウ.業務要件としてプロジェクトメンバが作成したセールス活動の現状の業務フローを,営業担当者に報告する。
- エ.ブレーンストーミングによってプロジェクトメンバが洗い出した業務要件を,プロジェクトマネージャが承認する。
正解
イ. 営業部門長と営業担当者から聴取した業務ニーズをプロジェクトメンバが整理・要約し,営業部門長と合意する。
解説
業務要件定義は、システムを利用する業務部門のニーズ・課題を聴取し「システムで何を実現するか」を業務部門責任者と合意することで完了するプロセス。開発側が一方的に決めるのではなく利用者側との合意が必須。共通フレーム(SLCP)では「利害関係者の要求事項を明確化して合意する」と定義されている。業務ニーズの聴取先は実際の利用者(業務担当者・業務部門長)であり、合意する相手は業務部門責任者となる点がポイントとなる。
選択肢ごとの解説
- ア.誤り。開発メンバが一方的に描いたシステム像を業務担当者に提出するだけでは業務ニーズを正しく反映した要件定義にならない。要件定義は業務部門が「何を求めるか」を起点にする必要があり、開発側の想定で進めてはいけない。利用者へのヒアリングなしに作成した要件は「要件の押し付け」となり、業務要件定義の完了条件を満たさない。
- イ.正解。業務ニーズを聴取するのは利用者(営業部門担当者・部門長)から行い、整理・要約した要件を業務部門責任者(営業部門長)と合意することが業務要件定義完了の条件。システム開発側と業務利用側の合意が要件定義の本質であり、業務部門責任者の承認なしには完了しない。
- ウ.誤り。現状業務フローの報告は現状把握には有効だが、それだけでは要件定義は完了しない。新システムで「何をどう改善するか」という新しい業務像を合意することが目的であり、現状フローの報告は現状分析の一過程にすぎず、将来の業務要件の合意には至っていない。
- エ.誤り。開発メンバだけのブレーンストーミングとプロジェクトマネージャの承認では、業務部門(実際の利用者)との合意がなく業務要件定義として不十分。業務要件は実際の業務を行う部門の責任者との合意がなければ完了したとはいえない。
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