問題本文
次の事例のうち,個人情報保護法の規制の対象にならないものはどれか。
選択肢
- ア.金融商品販売会社の社員が,有名大学の卒業生連絡網を入手し,利用目的を公表又は本人に通知することなく,電話で金融商品の勧誘をした。
- イ.自治会の会長が,高層マンション建築の反対署名活動で収集した署名者宛てに,自らが経営する商店の広告用チラシを送付した。
- ウ.自動車修理工場の社員が,故障車のレッカー移動の際に知った顧客情報を基に,後日,その顧客宅に代理店契約している衛星放送の勧誘に訪れた。
- エ.徘徊していた認知症の老人が所持していたクレジットカードを基に,警察が本人の身元を特定して老人を自宅に送り届けた。
正解
エ. 徘徊していた認知症の老人が所持していたクレジットカードを基に,警察が本人の身元を特定して老人を自宅に送り届けた。
解説
個人情報保護法は個人情報の取得・利用・提供を規制するが、「人の生命・身体または財産の保護のために必要があり、本人の同意を得ることが困難な場合」は利用目的に関わらず第三者提供・目的外利用が許容される適用除外規定(法第18条3項1号等)がある。徘徊中の認知症高齢者の身元特定・自宅送り届けは生命・安全の保護を目的とした緊急対応であり、意識状態から本人の同意取得が困難なため適用除外に該当する典型的な事例となる。
選択肢ごとの解説
- ア.誤り。有名大学の卒業生連絡網を無断入手し、利用目的を通知せず金融商品勧誘に使用することは、個人情報の不正取得(目的外取得)および無断での目的外利用にあたる個人情報保護法違反の対象である。卒業名簿の収集目的と金融商品勧誘は全く異なる目的であり法律上許容されない。
- イ.誤り。反対署名活動で収集した署名者情報を商店の広告送付に使用することは、取得目的(署名活動)と異なる目的での個人情報利用であり目的外利用として規制対象になる。署名収集時に広告送付目的を説明していなければ本人の同意がない目的外利用として違反となる。
- ウ.誤り。修理業務で知った顧客情報を別目的の衛星放送勧誘に利用することは、業務上知りえた情報の目的外利用で個人情報保護法の規制対象である。委託業務の範囲を逸脱した情報活用は受託者の守秘義務違反でもある。
- エ.正解。認知症高齢者の身元特定・自宅送り届けは人の生命・身体の保護のために必要な行為であり、本人の同意を得ることが困難な緊急状況である。個人情報保護法の適用除外規定に該当し規制対象とならない。人命救助・安全確保が優先される典型的な正当事由のある利用例である。
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